ポータブル・ミュージックプレイヤー iBasso Audio HDP-R10を使ってみた。
以前、ポータブルアンプ「Fiio E7」の記事の中で「iPhoneと Fiio E7の組み合わせでは iPhoneの操作性を損ねてしまう」旨のことを書いたことがあります。ポータブルアンプの「厚みのある音」には魅力を感じるものの、操作性や利便性と背反してしまうことがあり悩みの種でした。
以降、漠然と「ポータブルアンプに音楽再生機能があればいいのになぁ~」と思っていたところ、ヒビノインターサウンド社から『iBasso HDP-R10』というポータブルアンプをベースにした音楽プレーヤーが発売されました。
調べてみるといろいろ欠点?のようなものもあるようですが、百聞は一見にしかずということで HDP-R10を購入してみることにしました。
[iBasso Audio HDP-R10] http://www.hibino-intersound.co.jp/information/3088.html ![]() ※画像は公式ページより引用 <製品仕様> 寸法:W71.8×H27.5×D118mm、質量:260g |
HDP-R10のことをご存じない方に簡単に説明しておくと、HDP-R10は業務用音楽機材メーカーとして有名なヒビノインターサウンド社と、ポータブルオーディオアンプの制作に優れた技術力を持った iBasso Audio社とが共同で開発した音楽プレーヤーです。
製品の最大の特徴は、高級オーディオ機に採用されるハイエンドな「DAコンバータ」や「オペアンプ」等を惜しげも無くポータブル機に搭載していることにあります。もし、この製品にキャッチフレーズを付けるなら『音を最優先に作られた音楽プレーヤー』と呼べると思います。“音を最優先”という部分はいろいろな意味を含んでいるのですが、少しずつ記事の中で紹介して行こうと思います。
さて、肝心の音ですが、HDP-R10から再生される音は iPodやウォークマンとも一線を画しています。HDP-R10の音は「中身の詰まった音」「芯のある音」で聴いていて安定感があります。(音質についても別途記事にします)
高音質の HDP-R10も実勢価格で約8万円となかなか手の出しづらい価格帯となっています。もし「HDP-R10には興味はあるけど様子見」している方など、当ブログの記事が何かの参考になれば幸いです。
(1)仕様
■大きさ・重さ
本体サイズは 71.8x27.5x18mmで重さは 260gです。HDP-R10の仕様が公開された時から大柄な本体サイズについては覚悟を決めていましたが、箱から出してみると想像していたより大きく、覚悟が足りなかったことを思い知りましたw
大きさの目安では「スマートフォン 2台重ねた大きさ」とほぼ同じです。少し古いハードとの比較では「初代ゲームボーイ(DMG-01)※1」と良い勝負です。仕様を見比べて見ると HDP-R10の方が初代ゲームボーイより一回り小さいですねw
※1: | 初代ゲームボーイ (DMG-01) -- 幅90mm x 奥行き32mm x 高さ148mm 重さ:220g |
重さも「スマートフォン 2台分 (約260g)」あります。持ち運びできない大きさ・重さではありませんが、iPodやウォークマンと比較すると「重量級」であることは間違いありません。
ま、HDP-R10を選ぶような層は「高音質のためならポータブルオーディオアンプを 二段~三段重ねても苦にならない」という様なオーディオマニアの方だと思うので、HDP-R10の大きさや重さがすべてダメという訳でもないと思います。
あと本体を構成する材料にマグネシウム合金やアルミが使われており、ヤミクモに本体が重くなった訳ではないようです。メーカーの「少しでも軽量化したい」という意思は窺えますw
■入出力端子
HDP-R10に装備されている端子は豊富にありますが、オーディオ出力の端子が多く、入力(端子)はありません。
<オーディオ系端子>
ヘッドホン出力 | 標準フォーンジャックx1、3.5mmステレオミニジャックx1 |
デジタル出力 | 3.5mmミニジャック(オプティカルx1、コアキシャルx1) |
ライン出力 | 3.5mmステレオミニジャックx1 |
アメリカでは一般的な?デジタル端子の「コアキシャル(同軸)」まで搭載されています。残念なのは入力系の端子がないので、HDP-R10を他の音楽プレイヤーのアンプとして利用することは出来ません。
ヘッドフォン端子は「標準ジャック」と「ステレオミニジャック」の両対応です。自宅ではオーバーヘッド(ヘッドバンド)式の標準ジャックを使い、外出時はステレオミニジャックのカナル型イヤフォンを使い分けるといったことが出来ます。
面白かったのが、音楽再生してみると「標準ジャック」「ステレオミニジャック」の両ジャックから音楽が聞こえて来ました※2。 用途として、二人で一緒に音楽を聴きたい場合やイヤフォンの聴き比べなどに利用できますねw
オーディオ系の端子以外では、HDP-R10は USB端子も備えています。USB端子はパソコンと音楽データをやり取り(コピー)する目的に使います。その為、パソコンと接続して「USB DAC」としての機能もありません。さらに残念なのが USBバスパワーを使った「USB充電」にも対応していないので出先のバッテリー切れには対策が必要です。(⇒ HDP-R10の「USB充電」に関する記事はこちら)
※2: | 他の端子(オプティカル等)では排他制御が働くのかも知れません。(未調査) |
■本体の熱
HDP-R10の元となった iBasso DX100の頃から指摘されていた「本体の熱」ですが、確かに胸ポケットなどに入れていると熱いです。実際にどのぐらいまで温度があるのか測定してみました。測定といっても簡易なもので「赤外線放射温度計」で各部の表面温度チェックしただけですが、、、
<室温 約28℃の環境で測定>
再生中(本体裏): | 33-36℃ |
充電中(本体裏): | 35-40℃ |
やはり充電中が一番温度が高いようです。音楽再生も CDオーディオ(16bit/44.1kHz)をそのまま再生するより情報量の多い音楽データ(例えば 24bit/192kHz)や「アップサンプリング機能(SRC)」を使った方が温度が上昇する傾向にありました。
体感的な部分の話では、夏場にHDP-R10を胸ポケットに入れているとカイロを忍ばせている気分がしました。あと人肌と近い温度なので満員電車で隣の人と触れている温度と近いでしょうか?そう思うと熱い感じがしますねw
■実は Android OS搭載
ウォークマン(NW-Z1000)と同じく、HDP-R10も Android OSが搭載されています。バージョンは 2.3.1と一昔前?のバージョンが採用されています。
Androidを採用したことで様々な音楽フォーマットに対応できた点は HDP-R10の美点です。ただし一般的なスマートフォンや NW-Z1000と比較すると Androidの動作はモッサリしていています。その為、ブラウザやメールなどの機能は潔く?諦めて、HDP-R10は「音楽プレーヤー」として接した方がいいと思います。
★次回は iBasso HDP-R10の「音質」か「対応フォーマット」について記事にしたいと思います。
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