TV映像転送システム「イーフロンティア Slingbox 350」を使ってみた。 (3)
(5)Tips
Slingbox 350を使っている間に得た Tipsを紹介したいと思います。
■固定IP設定
新モデル Slingbox 350は「固定IPアドレス」の指定が出来なくなりました。もっとも、Slingboxは UPnP対応なので設置場所に UPnP環境が整っていれば IPアドレスを意識する必要はありません。
ただし、ネットワークを管理する上で、機器に固定IPアドレスを払い出したいことがあります。その場合は『ルータの静的IPアドレス付与』の機能を使うと Slingboxの IPアドレスを固定できます。
ルータの設定方法は機種ごとに違うので割愛しますが、概ね、Slingboxの MACアドレスをルータへ登録しておくという方法になると思います。ルータ機器によっては「IPアドレスの静的払い出し」の機能自体がないこともあるので、使っているルータの説明書等をご確認ください。
なお、Slingboxの MACアドレスの調べ方は下記の通りです。
- Slingbox公式サイト(http://www.slingbox.com/)へアクセス
- 「WATCH」を選択
- 「設定」を選択 (Slingboxが複数台ある場合は一覧から選択)
- 画面右側の「ネットワーク詳細」の項目にある「MACアドレス」を参照
MACアドレスは公式サイトで調べる以外にも、本体裏の「製品シール」でも確認することが出来ます。(製造ロットによっては記載箇所が違うかも知れません)
■本体名の変え方
Slingboxを複数台 所有している人は用途ごとに「本体名」を変更したい事もあると思います。前モデル Slingbox PRO-HDでは設定メニュー内に「本体名」を変更する機能があったのですが、新モデル Slingbox 350にはありません。
裏技的な情報ですが、Slingbox 350で「本体名」を変更する方法があります。具体的には“米国Slingboxサイト”を利用する方法です。この操作はイーフロンティア公認ではない(と思う)ので設定反映は自己責任でどうぞw
- 公式Slingboxサイト 画面右上の「国別メニュー(JP)」を選択
- 各地域の一覧が表示されるので「United States - English」を選択
- WATCH -- Settings -- EDIT
- EDITで本体名を入力
SAVEすれば設定は完了です。地域を「日本」へ戻しても本体名は変わっているハズです。
(6)気になったこと
Slingbox 350を購入するに当たって気になったことを紹介します。
■SlingPlayer for Mobileの購入には別途費用が掛かる
スマートフォンやタブレットで Slingboxを見ることの出来る専用アプリ「SlingPlayer for Mobile」は Slingbox本体とは別に費用が掛かります。
折角、本体が低価格化してもアプリが別売だと割高に感じてしまいます。将来的には無制限ライセンスにして貰いたいですね。少しでも安くアプリを手に入れたい時は、Sling Media社が App Storeや Google Play(旧Android Market)で「値引きセール」をやっていることがあるのでタイミングよく購入するしかありませんね。
■2014年から本格的にアナログ停止措置が始まる
以前の Slingbox PRO-HDの記事でも書きましたが、最近では D端子やSビデオなどの「アナログ」端子は著作権保護の観点から出力停止や出力制限が加えられている場合があります。
また、現行の Blu-rayプレーヤーや HDDレコーダ等では HDMI(+HDCP)端子しか装備していないものもあり、Slingbox利用者としては悩みの種です。
どうしても HDMI対応機器を使いたい場合は、amazon.co.jpなどで「HDMIをコンポーネント変換する機器」が販売されているので、それを使うしかありません。ま、抜け道的な感じですね。
※著作権者を守ることも大切ですが、現在の状況は、視聴者の利便性を下げて多くの人を不幸にしている気がします。機器側の努力だけでなく、法律側も改善して行って欲しいですね。
(7)まとめ
Slingbox購入時に比較/競合しそうなのが「DTCP+」対応機器でしょうか。DTCP+では DTCP-IPで不可能だった「外出先からのアクセス」にも対応しています。
DTCP+対応機器は録画番組をデジタルデータのまま※1 リモート端末(スマートフォン等)へ配信するので、画質の面で有利だと言われています。それでは Slingboxは DTCP+の普及によって衰退していくのでしょうか?
※1: | DTCP+も通信帯域によって画質は変わります。 |
そんなことはありません。Slingboxにも独自のメリットはあります。
1. | ライブ映像の再生 |
2. | DTCP+(DTCP-IP)に対応していない機器との接続 |
3. | 赤外線で操作できるほぼ全ての機能が利用可能 |
DTCP+の視聴は「録画済み番組」に限られるため、「放送中」のライブストリーミングは見ることが出来ません。Slingboxであればライブを愉しめるので、ニュース速報を観たり、スポーツ観戦しながらツイートしたりすることも可能です。
他にも「DTCP+に非対応の機器」や「赤外線を使った機器操作」など Slingboxの利点は存在します。“Slingboxの利点”を読んで惹かれる所があれば、DTCP+より環境がマッチしているのかも知れませんね。
---------
Slingboxは有線/無線LAN環境があればドコでも気軽にテレビが見られる面白い商品です。本体が小型化&1080p対応した上に低価格になった Slingbox 350は手に入れやすくなったと思います。欲しいときが買うとき?!
[★Slingbox関連記事] |