モニターキャリブレーション x-rite 「i1Display Pro」を使ってみた。
パソコンやテレビ等のモニター(ディスプレイ)は、同型モデル(機種)でも同じ色を表示しているとは限りません。モニターの経年劣化や部屋の明るさ等でも見え方は変わってきます。
ま、個人使用のパソコンの場合、色味の違いが問題となることは(ほぼ)ありません。人間の目は色の違いに寛容です。多少色味に違いがあっても気になることはありません。ただし寛容な目も“比較対象”があると違いを感じ取ってしまいます。
例えば、、、
・複数台のモニターを並べて使う
・プリンターで印刷したものと、画面を比較
・他の人と色合いを共有する
デュアルディスプレイ環境で画面ごとに色が違ったらイヤですし、作った資料やチラシを印刷してみたら、画面の色と違っていたら困りますよね。。。
そんな環境によって左右される色味の問題には「モニターキャリブレーション」という解決方法があります。今回、紹介する『x-rite i1Display Pro』を使えば、簡単に色味の調整をすることが出来ます。
x-rite (エックスライト) i1Display Pro http://www.i1color.jp/i1display_pro.html ![]() <製品仕様> 同梱物:i1Display Pro測定器(USBケーブル、おもり付き)/クイックスタートガイド/ 製品保証書、付属ソフトウェア:i1Profiler、Pantone ColorManager、対応デバイス:ディスプレイ(液晶 ・ノートパソコン)、サイズ:高さ192mm x 幅142mm x 奥行52mm 重量:269g、保証期間:1年間、対応OS:Windows/MacOS |
製品特徴
・高精度 i1Display Pro測定器
・プロジェクター対応
・スマートフォンやタブレット(アプリ)対応
・PANTONE Color Manager付属
(1)測定器
キャリブレーションを行うための測定器の大きさは、高さ66mm x 幅65mm x 奥行39mm (実測値:ケーブル含まず)、重さは 130g (実測値:ケーブル含む)でした。大きさはコンビニおにぎりぐらいでしょうか?w
測定器はレンズが内蔵されており、モニター面に接して色を測定します。カバーを掛けた状態では環境光を測定するのにも使います。
USBケーブルにはクリップ状の“おもり”が付いており、測定器をモニターに設置する際のバランス取りに使います。プロジェクターのように大きなサイズの場合は、測定器にカメラ三脚と同じ穴が設けてあるので、様々なモニターでキャリブレーションできます。
(2)使い方/使用感
まず、付属ディスクから「i1Profiler」と「Pantone ColorManager」をインストールします。i1Profilerがキャリブレーションに使うソフトです。(Pantone ColorManagerについては後述)
測定器をパソコンと USB接続して、付属ソフト「i1Profiler」を起動すれば準備完了です。肝心のキャリブレーションは i1Profilerの画面に手順が表示されるので、指示に従って操作するだけでOKです。
キャリブレーションは大きく分けて2種類あり、「簡易モード」と「詳細モード」があります。どちらも最終的に「ICCプロファイル(色空間データ)」を作成できます。取りあえず「難しいことはわからないけど使ってみたい!」という人以外は詳細モードでいいと思います。
■詳細モード (5ステップ)
詳細モードの場合、モニターと測定器のカラーマッチングを作成するパッチセットを3種類から選ぶことが出来ます。測定時間は“パッチセット”のサイズによって異なります。
パッチセット小 (118色) | パッチセット中 (211色) | パッチセット大 (462色) |
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測定時間の目安ですが、Core i7 2.67GHzのノートPCで、パッチセットの小(約2分)、中(約4分)、大(約7分)でした。大きなパッチセットを選ぶ方がより厳密に色調整は出来ますが、そのぶん時間がかかります。ちなみに測定器は側面にLEDがあり、キャリブレーション中は点滅します。
測定が終わればキャリブレーションの結果を見られます。調整前後の比較を出来るのも便利ですね。下画像はノートPCの画面をデジカメで撮影したもの。判りづらいですが色合いが少し違います。
適用前 | 適用後 |
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★次回は「i1Display Pro」の使い勝手の続きと、気になったこと等を紹介したいと思います。