パソコン・インターネット

2016年3月31日 (木)

タブレットPCハンドルホルダー(200-TABA001)を使ってみた。

タブレットを片手で持っていると支えている手や指が痛くなってきますよね。

今回、紹介する『サンワサプライ タブレットPCハンドルホルダー(200-TABA001)』を使えば、痛みを軽減できるかも知れません。

[タブレットPCハンドルホルダー -- 200-TABA001]
http://direct.sanwa.co.jp/ItemPage/200-TABA001
Handholder000_3

タブレットPCハンドルホルダーの装着は簡単で、タブレットにゴムバンドを“フック”するだけです。

大きさは135 x 145mmで、重さは120gです。

(1)使い勝手
Handholder001_2使えるタブレットの大きさは7-8インチ、9-10インチまでです。最新の iPad Pro 9.7インチや iPad mini 4にも対応しています。

ゴムバンドは大小2つずつ付属しています。バンドはわずかに伸縮するので、大きさの異なるタブレットでも使えるようになってます。

購入してから気付いたのですが、この製品、タブレットによって装着できる“向き”があることがわかりました。具体的には、ゴムバンドが電源ボタンやUSB端子などの側面の機能に触れてしまう向きには装着できません

デザインはカーボン調ですが、材質はプラスチックです。
ベルトの手触りはいいです。幅広なので、圧が分散されて手に痕が残りにくいです。手の大きな人でもベルクロでサイズを変えることができます。

Handholder002

ハンドルホルダーは360度回転します。
タブレットの向き(縦横)を簡単に変えることができます。電子書籍を読むときなど便利です。

■スタンド機能
ハンドルホルダーには「スタンド機能」があります。ハンドルの付け根にボタンがあり、押すとバネでベルト部が飛び出します。ベルト部分を“脚”にしてタブレットを立てられます。動画を見たい時やフォトフレームとして使いたいときに便利です。

Handholder003_2
スタンドに角度調整の機能はありませんが、 ハンドルの回転を上手く使えばある程度調整できます。タブレット用のスタンドも持っていますが、わざわざハンドルホルダーを外さなくて済むのが良いです。スタンド機能は期待していなかったのですが使ってみると便利でした。

(2)気になったこと

  • タブレットとの接地面はむき出しのプラスチックです。もしかしたら、すり傷が出来るかも知れません。気になる人は保護シートを貼るなど対策を。。。
  • ゴムバンドの耐久性は不明です。まだ2ヶ月ほどしか使っていないので破損はありません。こればかりは長期間使ってみないと何とも言えませんね。

(3)まとめ
横になりながらタブレットを操作するのがラクになりました。さすがにドラマや映画を観るのには向きませんが、Webを見たりメールチェックぐらいなら快適に使えます。

ハンドルホルダーを使うと持ちやすくはなりますが、重さが無くなるわけではないので、長時間使っていたら疲労を感じます。あくまで腕の疲労を軽減する「サポーター」といった感じです。

ま、ハンドルホルダーがあるとないとで大違いなので、手の痛さを我慢してタブレットを使っている人にはオススメの製品です。

2016年2月29日 (月)

光学ドライブ共有ケーブル「KB-USB-DRS」を使ってみた。

先月に引き続き、今月も便利な“ケーブル”を紹介したいと思いますw
今回は光学ドライブを共有できるドライブシェアケーブルです。

[ドライブシェアケーブル KB-USB-DRS]
https://www.sanwa.co.jp/product/syohin.asp?code=KB-USB-DRS
Sharecable000_2

《 特徴 》
・光学ドライブ(CD, DVD, Blu-ray)の共有が可能
・Windows同士の接続はモチロン、Windows - Mac間の接続もOK
・USB 2.0対応

Windowsタブレットを持っていますが、ソフトウェアのインストール時以外は外付けのドライブを使いません。たまにしか使わない外付けドライブを引っ張り出してくるのは面倒なんですよね。。。

そんな時「ドライブシェアケーブル」が1本あると便利です。ケーブルを差し込むだけで、簡単に光学ドライブを共有することが出来ます。

Kbusbdrs_ft1x_2 ※画像は公式ページより引用

(1)大きさ・重さ
長さは 1.8mで重さは 50gほどです。軽量&コンパクトなので、持ち運びに苦労することはないと思います。外付けドライブを持って歩くことを考えたら利便性の高い製品です。

(2)使い勝手
ドライブシェアケーブルは互いのUSB端子にケーブルを挿すだけで使えます。
難しい設定はありません。付属のアプリケーションはケーブルに内蔵されているので、出先でドライブ共有することになっても大丈夫です。

ケーブルを差し込むと画面にどのドライブを貸し出すかウインドウが表示されます。
Sharecable010

右側の再生ボタンを押すと共有が開始します。

Sharecable012

もう片方のパソコンに「光学ドライブ」として登録されます。

登録されたドライブは、外付けの光学ドライブを使っているのと変わりませんね。ソフトウェアのインストールにも使えますし、ディスクへの書き込みも出来ます。ちなみに「Daemon Tools」のような仮想ドライブも貸し出し可能でした。

そそ、前回紹介したリンクケーブル「KB-USB-LINK4」との併用もできます。
ま、併用する人はあまり居ないと思いますがw

(3)転送速度
ドライブシェアケーブルの有り/無しで、どの程度 転送速度が違うか見てみました。
光学ドライブ用のベンチマークには「Opti Drive Control」を使いました。

<機材>
・光学ドライブを借りる側:Miix 2 8
・光学ドライブを貸す側:VAIO VPCZ1
・外付けDVDドライブ:IO DATA DVR-UN24GS

<結果>

接続方式:直接接続シェアケーブル
転送速度: 26.8MB/s 8.8MB/s
グラフ: Cdcable000 Cdcable001

補足:外付けドライブのDVD読み込みは 16倍速に対応していますが、サンプルに使ったDVDメディアが約2.3GBだったので、最高速(16倍速)に達する前にテストを終了しています。

グラフを見る限り、ドライブシェアケーブルは一定速度で転送しているようです。

仕様を見ると USBの転送速度は 480Mbps(理論値)まで対応しているので、もう少し速度が出ても良さそうですが、「安定性の重視」とか「ホストを経由するオーバーヘッド」があるものと想像します。あと、パソコンのスペックがもう少し高ければ、結果も良かったのかも知れません。

このドライブシェアケーブルは、ドライブの最高速より「光学ドライブを使える」恩恵の方が大きいと思います。利便性は速度に代えがたいメリットがあります。

(4)気になったこと

  • シェアケーブルの端子部は少し厚みがあるので、他のUSBケーブルと干渉するかも知れません。(端子部の厚みは実測で約11mm x 約18.5mm)
  • Mac側の光学ドライブを貸し出すことは出来ないので注意。
    Sharecable013_2
  • ドライブ共有中は借りた側が占有します。貸した側がディスクへアクセスしようとしたら、「アクセス拒否」の警告が出ます。(モチロン共有を解除すれば、アクセス可能です)

(5)おまけ
メーカー保証外の情報ですが、Windowsや Mac以外の OSでも使えますね (^^;
手元にある、Raspberry Pi 2 Model Bで、Windows PCの DVDドライブをマウントできました。ローレベルな部分まで光学ドライブの動きをエミュレートしている模様です。他にも動く機器/OSもありそうです。

何にせよ、メーカー保証外の情報なので機器が壊れても無保証です。
試すときは自己責任でお願いします。

(6)まとめ
今回のドライブシェアケーブルは、「外付け光学ドライブを持ってない」、「2台目パソコンに光学ドライブがない」ユーザに効果を発揮するケーブルです。光学ドライブを常時使うのではなく、ちょっと間借りしたい時に、本当に便利なケーブルです。

# あと、モバイルグッズでカバンが満杯なギークな方にもオススメですw

2016年1月31日 (日)

ドラッグ&ドロップ対応USB3.0リンクケーブル「KB-USB-LINK4」を使ってみた。

パソコン間でデータの受け渡しって意外と面倒なんですよね。。。
受け渡す方法を思いつくだけでも
・USBメモリを介する方法
・LANケーブルを使ってネットワーク共有 等々

どれもひと手間かかるやり方です。もっと簡単にデータを引越せないか調べてみたところ、リンクケーブルという製品に行き着きました。

[ドラッグ&ドロップ対応USB3.0リンクケーブル KB-USB-LINK4]
http://www.sanwa.co.jp/product/syohin.asp?code=KB-USB-LINK4

Kbusblink4_mx_3

《 特徴 》
・Windows同士の接続はモチロン、Windows - Mac間の接続もOK
・USB3.0対応で高速コピー
・2台のパソコン間でマウス、キーボードのシェア可能

このリンクケーブルは 2台のパソコンのUSB端子に接続するだけで、簡単にファイルコピーやマウス、キーボードのシェアなどが行える製品です。導入前の難しい設定はありません。

(1)製品仕様
ケーブルの長さは約1.5mで、重さは 60gほどなので、カバンに入れて持ち運んでも苦になりません。ドライバや付属ソフトはケーブルに内蔵されており、パソコンにケーブルを差し込めば自動的にドライバと付属ソフトがインストールされます。

付属ソフト「Smart Data Link」では、「キーボードとマウスの切替設定」など、リンクケーブルの細かい設定が行えます。

Usblink4001

(2)使い勝手
デフォルトだと、マウスカーソルを画面外へ持って行けば、もう一つのPC(画面)へカーソルが移動します。どちらの PCからでも、もう一台の PCを操作することが出来ます。操作の“向き”はありません。

リンクケーブルの取扱いは簡単なので、操作はすぐに覚えると思います。2台の切り替え方は設定ソフトで調整できますし、ファイルコピーもOS上の操作と変わりありません。

Kbusblink4_ft1x_2 ※画像は公式ページより引用

クリップボード共有にも対応しているので、例えばワードやエクセルの範囲コピーした内容も、もう片方の PCへペーストすることが出来ます。この辺りは市販の「CPU切替器」より便利ですね。

ファイル操作で注意したいのが、ファイルをもう一台のパソコンへ“移動”させたい場合です。Windowsで“移動”とは「ファイルのコピーと元ファイルの削除」を差しますが、Smart Data Linkだとコピーのみで削除されません

その為、ファイルを移動(コピー)が完了した後に、選択したファイルを削除する操作が必要になってきます。この辺は慣れが必要かも知れません。

(3)リンクに失敗した時は...
リンクケーブルを使って複数のPCを繋いだり/切り離していたら、突然リンクできなくなりました。公式ページのQ&Aを探してみるとズバリな対処法が載っていました。

[2台のPCに接続してもリンクしません]
http://www.sanwa.co.jp/support/faq/kaito.asp?qa_id=3321

作業内容は単純で「インストールしたSmart Data Linkフォルダを削除」するというものです。詳細はリンクを参照ください。

この対処を行ったら再びリンクできるようになりました。ま、メーカー側で問題が判明しているのなら、ファームウェアで対応して欲しいところですね。

(4)気になったこと

  • 上述のとおり、ファイル「移動」は「コピー」に置き換わる点は注意が必要です。
  • USB3.0不要の方は USB2.0対応の「KB-USB-LINK3K」も併売しているので、そちらをどうぞ。
  • Windows XP以前のOSには対応していません。(Windows 95/98/Me/2000等は NG)
  • 2台のPCを手軽に接続できる反面、パスワード認証などもありません。セキュリティ面は弱いので、家庭内の使用に留めておくのが良いと思います。

(5)まとめ
クリップボード共有も便利でしたが、家庭内LANに属さない/属したくないパソコンとでも手軽にファイルのやり取りが出来たのが良かったです。

あとマウスやキーボードのない Windowsタブレット機でもリンクケーブルで接続すれば、もう一台のを入力デバイスをシェアできるのは便利に感じました。

Kbusblink4_ft6x

リンクケーブルを頻繁に使う機会はないかも知れませんが、データの引越しの際に 1本持っておくと重宝すると思います。とにかく手間をかけたくないズボラさんにオススメですw

2015年10月 4日 (日)

VHDマウントツールを作ってみた。 (2)

VHDマウントツールを更新しました。

■変更点 (2015/10/04 Ver0.2)
  • Windows 8 「高速スタートアップ (ハイブリッド・ブート)」で OS起動の際に VHDディスクが再マウントされる不具合を修正 (起動オプション「-boot」を追加)
  • ファイル、フォルダ名の変更 (vhd_attach ⇒ vhd-attach)

ツールの導入方法は過去記事とほぼ同じですが、タスクスケジューラ設定に一部変更があります。

(4)タスクスケジューラ 修正箇所

<操作>
・[新規]をクリック

・操作:プログラムの開始
・プログラム/スクリプト:[参照]をクリック
    ⇒ ツール(vhd-attach.exe)を選択
引数の追加(オプション):-boot <=★追加

Vhd212

-bootを指定することで、OS起動時に VHDディスクがマウント済みかどうかチェックします。(マウント済みであれば処理をスキップ)

■ダウンロード

vhd-attach-v0.2.zip (6,829,675 バイト)

MD5: a701a82d1e0b55841a161c9aec57612b
SHA-1: 78256e642633deb8ef2471a9f8e52640091b25f3

2015年7月31日 (金)

LAN対応HDゲームキャプチャーボックス REX-HDGCBOX2を使ってみた。 (2)

前回はREX-HDGCBOX2の「概要」と「ストリーミングモード」を紹介しました。
今回は録画モードのレビューの続きと「まとめ」で記事を締めくくりたいと思います。

(2)使い勝手 (3つの録画モード)

■SDカード録画モード
キャプチャした映像を直接SDカードへ書き込むモードです。
SDカード録画モードはパソコンのスペックを気にしなくていいのが利点です。

Rexhdgcbox224
他のモードと違う点は、録画中にスクリーンキャプチャ(静止画)を撮ったり、音声合成(実況プレイ等)はできません。

録画ファイルの大きさは、1ファイルあたり最大4GBです。あとは通番をつけて分割保存されます。4GBごとにファイルが出来るのは、FAT32の仕様によるものですね。

なお、SDカード録画モードの設定は「UtilityTool」を使います。
Rexhdgcbox221
パソコンと接続して、このツールを使えば、必要最低限の設定ができます。

SDカード録画モードで注意したいのが「空き容量」です。本体LEDで「空き容量なし」は伝えてくれますが、「まもなく枯渇」を知ることはできません。録画したい時に容量がないのは困るので、パソコンで録画データを読み取ったら、削除(移動)するのがいいですね。

・32GB以上のSDカードは使えるか?
REX-HDGCBOX2は 32GBまでの SDHCに対応しています。
(自己責任の範囲で) 64GB以上の SDXC対応カードを使えるか試してみました。

結果は使えました。ただし、フォーマットを「FAT32」にしなければなりません。exFATやNTFSではダメです。SDXCカードをFAT32でフォーマットするのはちょっとグレーな使い方なので、方法は割愛します。どうしても使いたい人は検索サイトで「SDXC FAT32」等で調べれば出てくると思います。

・Eye-Fiは使えるか?
SDカード録画で不便なのは、録画データの取り込み時でしょうか。SDカードをパソコンに差し替えないといけないのが、面倒といえば面倒ですね。

差し替えの手間を軽減するため Eye-Fi (Wi-Fi内蔵SDカード)を試してみました。結果はNG。残念ながらデータ転送できませんでした。どうやら Eye-Fiは SD_VIDEOフォルダ配下のデータを転送しているようで、REX-HDGCBOX2のようにドライブ直下にデータを作る機器には対応していない模様です。

■パソコン録画モード
録画データを直接パソコンへ取り込むモードです。
ストリーミングモードより、安定かつ高画質に録画することができます。

Rexhdgcbox225
専用ソフト「RATOC GameRecorder」を使って録画します。パソコンの大容量ストレージが使えるので長時間録画に向いています。ちなみに録画データは一度の録画につき一つのファイルに保存されます。SDカード録画モードのようにファイル分割されることはありません。

パソコン録画モードも1080p/30fpsでの録画可能です。録画状態をウインドウで確認できますが、ストリーミングモードと同様に 2,3秒の表示遅延があります。

「RATOC GameRecorder」にはスナップショット(静止画)ボタンがあるので、スナップショット撮影を多用する人には便利なモードです。なお、パソコン側がハードウェアアクセラレーションに対応していれば低負荷のキャプチャも可能です。

■録画モードまとめ

録画モード最大解像度/最大フレームレート長時間録画ライブ配信
ストリーミング △720p,480p,480i/30fps △スマートフォン等はメモリ容量に依存
SDカード ○1080p/30fps
1080i,720p,480p,480i/60fps
△32GBまで SDカード容量に依存 ×
パソコン ○1080p/30fps
1080i,720p,480p,480i/60fps
○大容量のHDD等へ保存できるため、長時間録画可能

(3)気になったこと

  • HDMIパススルーは電源OFF時には機能しない
    REX-HDGCBOX2の電源が入っていないとHDMIパススルーは使えません。たまにしかキャプチャしない人も常時電源をいれておくか、ケーブルのつなぎ替えが必要です。
  • 直接HDDやUSBメモリに録画する方法がない
    他のキャプチャ製品にあるような「HDD」や「USBメモリ」への録画はできません。外部ストレージへ録画する場合は、パソコンを経由する必要があります。
  • 本体側にスクリーンキャプチャ(静止画)ボタンがない
    本体の録画ボタンは「動画専用」です。スクリーンキャプチャ(静止画)専用ボタンも設けて欲しかったです。
  • 本体LEDの色で動作状態を判別するのは困難
    エラー状態を本体LEDの色や点灯/点滅で判断するようになっています。ただLEDのパターンは録画モードごとにあり、原因を探ろうとするとマニュアルが手放せません。もっとシームレスにエラーが判るといいですね。
  • ケーブルの取り回しに難あり
    各ケーブルを3方向から接続するので、机などに設置する際にケーブルの取り回しに苦労します。出力/入力で束ねると、電源ケーブルが脇にあって意外とジャマです。(L字型USB-Bケーブルを使って解決)

(4)おまけ
HDCP対応機器の録画はできませんが視聴のみなら可能です。
ストリーミングモードなら最大4台まで同時表示できます。

Cap23_3

・出力: PS Vita TV
・表示: Lenovo Miix 2 8 (Windows 8.1)、iPhone 5s

(5)まとめ
本来のキャプチャは納得のいく画質と使い勝手がありました。また、目的のひとつだった「セカンドスクリーン」的な使い方もできましたし、製品には満足しています。

惜しむらくは 1080pでの 60fps対応が見送られたことでしょうか。次の製品では対応して欲しいですね。ま、性能と価格のバランスもありますし、今回は納得して購入しました。

最後になりましたが、キャプチャ製品は色々ありますが、本機の特徴である「ストリーミングモード」や「スマートフォン対応」に惹かれた人には買いだと思います。iPhoneでリアルタイムのキャプチャ動画を見られた時は、ちょっとした感動がありましたよw

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2015年6月30日 (火)

LAN対応HDゲームキャプチャーボックス REX-HDGCBOX2を使ってみた。

以前、HDMIキャプチャーカードを購入しましたが、「キャプチャ画像が乱れる」不具合があり、そのまま死蔵品になってしまいました。結局、不具合の原因がキャプチャーカードなのか、PCなのか判りませんでした。

そこで、今回は PC不要で HDMIをキャプチャできる製品を購入することにしました。

[RATOC REX-HDGCBOX2]
http://www.ratocsystems.com/products/subpage/hdgcbox2.html

Rexhdgcbox211
<製品仕様>
型番: REX-HDGCBOX2, 対応OS: Windows8.1/8/7/Vista (32/64bit両対応) Android 4.0以降, iOS 6.0以降, インターフェイス: USB2.0, 入力端子: HDMI, コンポーネント, ステレオ音声, 出力端子: HDMI,LAN (10/100BASE),  外形寸法: 約130(W)x80(D)x30(H)mm, 重量: 約155g (本体のみ)

同じような製品が同じような価格で販売されていますが、この製品に決めた理由は『スマートフォンやタブレットでキャプチャを視聴もできる』機能が付いていたからです。上手く行けば、スマホを“セカンドスクリーン”的に使えるのではないかという目論見ですw (スマホ視聴は後述)

※レビューの前にお断りしておくと、本レビューでは Ustreamなどのライブ配信は試していません。ライブ配信の内容を期待された方、ゴメンナサイ!

(1)仕様
■大きさ・重さ
キャプチャボックス本体は約130(W)x80(D)x30(H)mmです。大きさは、明治「きのこの山」「たけのこの里」のパッケージをイメージして貰えると良いかと思いますw 重さは 158g(実測)でした。手に持ってみると測定値より軽く感じます。

■付属品
ケーブル類は充電orパソコン接続用「USBケーブル」が 1本付属するだけです。キャプチャ機器と繋げるための HDMIケーブル、LANケーブルが別途必要になります。

あと、ACアダプタも付属しないので注意が必要です。電源は USB端子から 5Vが取れればいいので、スマホ用の USB電源アダプタ等があれば便利です。

■対応フォーマット
・スナップショット: BMP, JPG, PNG, TIFF
・ムービー: M2TS (H.264+AAC) ※1

※1: M2TS -- HDデジタルビデオカメラの規格であるAVCHDで記録されたハイビジョン動画のファイルに付く拡張子 (出典: http://www.weblio.jp/content/.m2ts)

M2TSは YouTubeなどでも採用されている一般的なフォーマットです。YouTubeの投稿アカウントがあれば、無変換でそのままファイルをアップロードできます。

サンプル動画はソニーの一眼デジカメ α77のオートフォーカスの様子をキャプチャしたものです。最近のデジカメはHDMIを搭載しているので、こういった動画も簡単に作れますね~

■動画配信サービス
Twitch, Ustream, カスタム RTMPに対応

■HDCPはキャプチャ不可
HDMIのコピーガード形式「HDCP」には対応していません。そのため HDCP機器はキャプチャできません。出力機器がコンポーネントケーブルに対応していれば、HDCPを回避できる場合もあります。(PlayStation 3等)

(2)使い勝手 (3つの録画モード)
REX-HDGCBOX2は3つの録画モードがあります。(ストリーミングモード/SDカード録画モード/パソコン録画モード) なお、モードの切り替えは電源が入った状態でも切り替え可能です。

各モードの説明はほどほどに、実際にキャプチャしてみて気付いた、使用感をお伝えしたいと思います。

■ストリーミングモード
複数デバイスを切り替えて使う時に便利なのがストリーミングモードです。
LAN上に対応機器があれば録画・配信が可能です。

Rexhdgcbox212
ストリーミングモードを使うには各OS用に配布されている「RATOC GameShare」というアプリケーションを使います。(対応OS: Windows/iOS/Android)

Wi-Fi接続はケーブル不要なので非常にお手軽なモードですね。

ストリーミングモードで気を付けたいことが2点あります。

  1. 対応解像度とフレームレート
    ストリーミングモードは「720p/30fps」が設定上限となります。他のモード (SDカード録画モードやパソコン録画モード)は 最大1080p/30fps or 1080i,720p,480p,480i/60fpsと違います。
  2. 録画対象によって異なるフレームレート
    iPhone 5sでフレームレートを確認したところ、設定上限 720p/30fpsを下回る結果となりました。

    ビデオ入力: 1080p
    機器解像度ビットレートフレームレート
    パソコン 720p 8M 30fps
    iPhone 5s 480p 5M 24fps
    720p 8M 16fps

    PCでは問題なく 720p/30fpsを維持しているので、iPhone 5sのパフォーマンス不足かも知れません。iPhone 6では違う結果になるかも知れません(未検証)。録画品質を優先するのであれば、PCを使うか、別のモードを選ぶのが良いですね。

・表示遅延 比較
今度は機器ごとの表示遅延を確認してみました。
出力機器の画面に時計を表示させ、各機器のタイムラグを測定しました。 (例: 優>劣)

パススルー > iPhone 5s >> PC ※2

※2: VAIO VPCZ1 (OS:Windows 7 Professional, CPU: Intel Core i7 M620 2.67GHz, メモリ: 8GB)

結果は遅延ゼロのパススルーが最強なのは言わずもがなですが、次点の iPhone 5sが健闘していました。遅延は 1-2フレーム程でパススルーと遜色ないレベルでした。

残念なのがパソコンの遅延です。パススルーの映像から 2,3秒は遅れます。ま、いずれの場合も、動画再生は気になりませんでした。やはり気になるのは、機器の入力(操作)遅延ですね。機器操作はパススルーの画面を確認した方がいいです。(低遅延のiPhoneであっても)

★次回は「使い勝手」の続きと、「気になったこと」「まとめ」を記事にしたいと思います。

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2015年5月31日 (日)

マイクロソフト Natural Ergonomic Keyboard 4000 (ナチュラル エルゴノミック キーボード 4000)を使ってみた。

会社で使っているキーボードはデスクトップに付属の標準のもので、キー割り当て可能な「ホット キー」は殆どありません。業務を効率化しようとホット キーが沢山ありそうなキーボードを探してみました。

どうせキーボードを新調するならエルゴノミクスで!w、、、ということで、今回はマイクロソフト製のエルゴノミクス キーボードを購入してみました。

[Natural Ergonomic Keyboard 4000]
https://www.microsoft.com/hardware/ja-jp/p/natural-ergonomic-keyboard-4000
Naturalkb400014
<製品仕様>
大きさ: 503mm x 262mm x 82.8mm、重量:1301g、対応OS:Windows 8.1, Windows 8, Windows 7, Mac OS X v10.7-10.9, Android 3.2 and 4.2、耐久性:<QWERTYキー> 1,000,000回/キー, <ズームキー> 250,000スライド/キー, <ホットキー> 500,000回/キー、型番:B2M-00028

実勢価格 4,000円ほどで購入可能です。
人間工学に基づいてシッカリ作られたキーボードが、この価格で買えるのは、コストパフォーマンス高いと思います。

(1)使用感
通常のキーボードではいかに無理な姿勢を余儀なくされているか、エルゴノミックキーボードを使うと実感できます。ホームポジションに手を置くと、自然と指が並びます。人がキーボードに合わせていたものが、キーボードが人に合わせてくれているような感じがしますね。

■打鍵感
キーの重さや深さは通常のデスクトップキーボードと変わらないと思います。
ただ、スペースキーだけは、人差し指で押してみるとやや重い(鈍い?)感じがしました。しかし、不思議なことに、仕事中にスペースキーの重さが気になったことはありません。

キーの大きさはそれぞれ変則なので、慣れないうちはミスタイプが増えると思います。私の場合、IMEのオン/オフを[変換]キーに割り当てて、右手親指で押していました。変換キーが小さくなり入力ミスが増えたので、標準仕様の[半角/全角]キーへ移行しました。

■アームレスト (パームレスト)
アームレストは柔らかくも弾力のある素材でできています。肌触りもサッパリしていて、夏場でも不快になることもないと思います。

あと、アームレストが手首を押し上げてくれるので、無理に曲げる必要がなく、長時間の入力でも疲れにくいです。また、アームレストがあることで、肩の吊り上った状態から解放されます。具体的には手首が持ち上がった分、肘が下がる → 肩も下がります。

(2)高さ調整
キーボード裏の上部にはスタンド(ツメ)があります。通常のキーボードの様にツメを立てれば上側を高くすることが可能です。あと、キーボード下部には脱着可能な“ゲタ”が用意されており、アームレストの高さを変えることが出来ます。

Naturalkb400017_2アームレストスタンドを使うと、キーボードの上方 (ファンクションキー側)と手前 (スペースキー側) とで傾斜ができます。通常のキーボードであれば、手首より指先が水平or少し高い位置にありますが、エルゴノミック キーボードは反対に指先の方が手首より下がっています。指先の下がった状態が、緊張を緩和してくれ、ラクに感じます。

上部ツメ+アームレストスタンドの組み合わせでも使えないことはないですが、アームレストスタンドがギシギシ音を立てるので、上部ツメ+アームレストスタンドは排他使用と思われます。

余談ですが、アームレストスタンドを付けると見た目の迫力がアップします。職場での注目度もアップ間違いナシです! 実体験で「アレ?キーボード買いました?」と声をかけられること多数w

(3)キー割り当て
ファンクションキー上の銀色のキー (ホット キー)は、カスタマイズ可能です。
例えば、「キーマクロ」や「アプリケーション起動(ランチャー)」等に使うことが出来ます。

<メールおよびインターネット キー >
そのままなので説明は割愛w

<数字(1~5) キー>
標準で Windowsタスクバーのアイコンの“並び”に準拠しており、よく使うアプリケーションへアクセスしやすいようになっています。※別機能への割り当ても可能です。

Naturalkb400013

<オーディオ キー>
キーボードは会社で使っており、業務に関係ないスピーカーは接続されていませんw
その為、オーディオ キーは「Windowsロック」など別の用途に割り当てています。

<その他のキー>
キーボード中央の「★キー」はキーボードの設定画面が開きます。

カスタマイズ可能なホット キーは上部に偏って配置されています。欲を言えば下部にもホット キーがあれば便利だったと思います。それが無理なら、「左右ボタン」と通常キーを組み合わせて、ホット キーとして使えれば良かったですね。キー入力中はなるべくホームポジションを崩したくありません。ホット キーまでは遠いんですよねー

(4)気になったこと

  • アームレストがある分、マウスは少し遠くなった?
    キーボードとマウスを行ったり来たりすると、通常キーボードより距離を感じます。
  • ズームキーは割り当て不可
    画面の拡大・縮小以外の機能を割り当てることができません。
    職種の問題か?画面ズームは使いません。どちらかと言えばホイールスクロールの方が良かったです。いっそのこと ThinkPadのポインティング・スティックでも、、、
  • アプリケーションごとにホット キーを設定できない
  • 有線キーボード
    同型のワイヤレスキーボードとマウスがセットになった「Microsoft Natural Ergonomic Desktop 7000」という製品が販売していました。残念ながら、現在は生産を終了しているようです。

(5)長期保証
マイクロソフト製キーボード・マウスは 3年の長期保証です。購入を証明できるレシートや保証書は大事に保管しておきましょう。マイクロソフトやロジクールの海外勢は長期保証してくれるので安心です。

(6)まとめ
以前のエルゴノミクス マウスの記事でも書きましたが、、、
---
人間工学に基づいた“エルゴノミクス”だと言っても「肩こりや腱鞘炎が治った」とか「疲労感が違う」など効果が体にすぐ表れるものではありません。あくまで「自然体に近い姿勢」で仕事ができるだけです。“治療器”ではないので過大な期待は禁物ですね。
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上記の点、ご注意ください。

エルゴノミック系は入力にクセがあるので、万人にオススメという訳ではありません。キーボードの画像を見て「これはイイ!」「欲しい!」と思った人が購入するのがいいと思います~

2015年3月31日 (火)

VHDマウントツールを作ってみた。

以前、microSDを仮想ディスク(VHD)化する記事を書きました。その際、OS起動時に仮想ディスクをマウントさせる方法として、バッチファイルを用いた手順を紹介しました。

バッチファイルでもVHDの動作に問題はないのですが、バッチ起動の瞬間 「DOS窓 (コマンドプロンプト)」がチラッと表示されるのが気になっていました。DOS窓を表示させない方法(※1)もあるみたいですが、折角?なので DOS窓を表示しない VHDマウントツールを作ってみました。

※1: バッチファイルを実行する時に黒いコマンドプロンプト画面を表示しない方法
http://amaotolog.com/pc-benri/33

本ツールは Miix 2 8で動作確認しました。以下の手順は Windows 8.1の画面です。動作確認は手元にある別のWindows 7機 (32/64bit)でも行っていますが、動かない環境もあると思います。動かなかった際はゴメンナサイ、、、

プログラム的には"diskpart.exe"へ vhdファイルを橋渡ししているだけで、特に難しいことはしていませんw

■導入方法
(1)ダウンロード
まず、ここからファイルをダウンロードしてください。
ツールを更新しました。ダウンロードはこちらのページからお願いします。

vhd_attach_v0.1.zip (6,826,902 バイト)

MD5: 3dc318a71ba9142f5bc4da8f60031c04
SHA-1: e865192d060f4b25a3a7755055730ad0389318bb

次に展開したフォルダを適当な場所へコピー(or移動)して下さい。
以下の手順では「ユーザフォルダ(c:\Users\xxxxx)」配下を指定しています。

(2)仮想ディスク(.vhd/.vhdx)を記述
フォルダ内の vhdfiles.txtをテキストエディタで編集します。
絶対パス(フルパス)で vhdディスクのファイルがある場所を入力してください。
例では Rドライブの"hogehoge.vhd"を指定

vhdfiles.txt
R:\hogehoge.vhd

※複数台の仮想ディスクを記述可能。複数ディスクを記述する際は「改行区切り」にして下さい。

(3)事前テスト
仮想ディスクがマウントされていない状態で、vhd_attach.exeを実行します。
vhdfiles.txtに書かれたファイルがマウント出来れば成功です。マウントが成功してもメッセージ等は表示されないので、[コンピュータ]を開いて仮想ドライブを確認して下さい。

もし、マウントに失敗するようであれば、ファイルパスの見直しや実行権限を確認して下さい。実行には管理者権限が必要です。管理権限は vhd_attach.exeのプロパティから変更可能です。

Vhd16

(4)タスクスケジューラに登録
OS起動時にツールを実行するため、プログラムをタスク スケジューラへ登録します。

[コントロールパネル] --> [管理ツール] --> [タスク スケジューラ]を起動
ウインドウ右上の「タスクの作成」をクリック

Vhd10

<全般>
・名前: 適当な名前を付けて下さい。 (例では"vhd_attach")
・最上位の特権で実行する: チェック

Vhd11_3

<トリガー>
・[新規]をクリック

・タスクの開始: [ログオン時]
・有効: チェック

Vhd151

<操作>
・[新規]をクリック

・操作:プログラムの開始
・プログラム/スクリプト:[参照]をクリック
    ⇒ ツール(vhd_attach.exe)を選択

Vhd121

<条件>
・特に指定なし (お好みで)

Vhd13

<設定>
・タスクを要求時に実行する:チェック
・残りの項目はチェックを外す
・新しいインスタンスを開始しない

Vhd14

<履歴>
・デフォルトでOK

スケジューラへの登録が完了したら、OSを再起動。
再起動後に仮想ディスクが正しくマウント出来ていれば成功です。

(5)エラー画面
マウントに失敗した場合など、diskpart.exeで吐き出されたエラーがそのままダイアログに表示されます。問題解決の糸口にして下さい。

Vhd17

(6)FAQ
■マウントに失敗 (1) -- パス(PATH)の確認
ツール内で diskpart.exeを呼び出しているため、diskpart.exeへのパスが通っている必要があります。通常であれば diskpart.exeは"C:\Windows\System32"配下に存在しています。このパスは OSインストール時に自動的に登録されているハズです。

■マウントに失敗 (2) -- スタートアップ起動
Windows 8はシステムに手を加える系のプログラムはスタートアップメニューに登録できません。手順にあるように「タスク スケジューラ」へ登録して下さい。

(7)免責事項
堅苦しいですが免責を、、、

本ソフトウェアおよび本ドキュメント等を使用して得られた結果について、利用者に対していかなる保障をするものでもありません。利用者は自己の責任において使用して下さい。

作者は、本ソフトウェアの使用または使用不能によって、発生する損害に対する一切の責任を負わないものとします。

(8)開発環境
Lenovo Miix 2 8 --  Windows 8.1
Python 2.7.9
wxPython 3.0.2.0
py2exeで実行ファイル化

(9)あとがき
仮想ディスクマウント時に DOS窓を表示させないためとはいえ、面倒な導入手順になってしまいました。我ながら自己満足なツールw

2014年9月30日 (火)

モニターキャリブレーション x-rite 「i1Display Pro」を使ってみた。(2)

モニターキャリブレーション「i1Display Pro」の続きになります。前回紹介しきれなかった「機能」と「気になったこと」「まとめ」で記事を締めたいと思います。

(3)スマートフォン、タブレット対応
i1Display Proは「スマートフォン」「タブレット」に対応しています。使える端末は iPhone, iPadの他 Android OSもサポートしています。注意点は「ICCプロファイル」が使えるのは「ColorTRUE」というアプリ内のみで、OSレベルの対応ではありません。

アプリを利用するには、各アプリストアから『ColorTRUE (無料)』を検索して、インストールすればOKです。ColorTRUEは「キャリブレーション」と「画像ビュワー」の機能を兼ねています。

iPhone版と Android版をそれぞれ使ってみましたが、キャリブレーションのさせ方に違いがありました。

対象機器 必要な機器 備考
iPhone: iPhone
+
パソコン
+
測定器
LAN内に i1ProfilerがインストールされたPCが必要。測定器はパソコンとUSB接続。iPhoneの画面に測定器を乗せてキャリブレーション。
Android(OTG): Android端末
+
測定器
Android端末のUSB端子に測定器を接続。そのままキャリブレーション可能。

手元に iPadがないため未検証です。あと Android端末も USBホスト機能(OTG)を搭載していない端末の動作も不明です。

アプリ内の色変換なので、スクリーンキャプチャを取って比較することも可能。

反映前 反映後
Img0930224312 Img0930224300

ただし、キャリブレーションに使った実機(例ではiPhone)で見ないと意味はありません。あと、ColorTRUEは iOS 6には対応していないので、古いiPhone/iPadユーザはご注意ください。

(4)Pantone ColorManager
i1Display Proを購入すると「Pantone ColorManager」も付属しています。Pantone ColorManagerは色見本帳とディスプレイ(or 印刷物)を比較するのに使います。

キャリブレーションでも調整できなかった色は「警告」マークが表示され、近似色であることを教えてくれます。

Xrite111_3

デザインや印刷関係の人でもない限り、なかなか色見本帳は持っていませんw
色見本帳は高いですし、趣味で使うには縁遠い製品ですね~

(5)気になったこと

■付属ソフトは不安定?
ノートPCと Windowsタブレット、それぞれでキャリブレーションを試してみましたが、設定によってはキャリブレーション中にハングアップすることがありました。

キャリブレーション中の不具合であれば、以下の項目を試してみると良いかも知れません。
・「簡易モード」で動作確認
・「ADC (自動ディスプレイコントロール)」の無効化
・各種設定を「デフォルト値」か「固有の値」へ変更

当方の場合、上の3項目を少しずつ変更して、トライ&エラーを繰り返し、期待するキャリブレーションが出来るようになりました (^^;

■測定器はライセンスキーも兼ねている
キャリブレーションソフト「i1Profiler」や色見本の「Pantone ColorManager」を使うには、測定器とパソコンの接続が必須です。測定器は“ライセンスキー”のような役目をしています。

「i1Profiler」は測定器が未接続であれば「DEMOモード」として起動します。しかし、DEMOモードでは、キャリブレーションが出来ないのはモチロンのこと、ICCプロファイルの設定値を見ることさえ出来ません。

複数台のPCで1つの測定器を使い回していると、手元に測定器がないことがあり、設定値を見るためだけに測定器をつなぎ直すのは面倒です。。。

■ICCプロファイルのバージョン
i1Profilerでは ICCプロファイルのバージョンを「バージョン 2」と「バージョン 4」から選べます。規定値では「バージョン 4」になっています。

詳細は割愛しますが、InternetExplorerや PhotoShop等は「バージョン 4」でも問題ありません。しかし 多くの Windowsアプリケーションは「バージョン 2」が適応されています。キャリブレーションしたのに色がおかしい場合は、ICCバージョンを見直すことをオススメします。

■OSD(オンスクリーンディスプレイ)対応ディスプレイ
ディスプレイ上に設定を表示する「OSD」タイプのものも、キャリブレーション可能なようです (未検証)。時間がなかったので記事には出来ませんでしたが、その代わり? OSDの設定を紹介しているサイトのリンクを貼っておきます。

[X-Rite i1Display Pro calibration tutorial: Method 2]
http://www.damiensymonds.com.au/cal_i1DP_pc2.html

この方法を応用すれば、パソコンと接続できないディスプレイ(例えば古いテレビ等)でも調整可能かも知れません。。。

(6)まとめ
i1Display Proを購入してみた感想は『最近の液晶ディスプレイは出荷時から色温度は高めだな~』という事でした。特に白色は「漂白したような白(9300K)」となっており、気付かないうちに高い色温度に慣らされていた模様です。

コンテンツ制作者が色温度の「基準」とする 6500Kでは、昼光色で黄色がかっており、ともすれば色の温かさがディスプレイの鮮明さを阻害しているイメージがあります。色温度の高い方が、ディスプレイの高輝度&高精細に感じやすいのかも知れません。

ま、i1Display Proがあれば、ニュートラルな 6500Kでキャリブレーションして、コンテンツ制作者の色使いを感じるも良し、真っ白な 9300Kで高輝度&高精細な感じを愉しむも良しです。モニターキャリブレーションを使えば、日ごろ見慣れた画像も新鮮な気持ちで見ることが出来ると思います。

[最初から読む]

2014年8月31日 (日)

モニターキャリブレーション x-rite 「i1Display Pro」を使ってみた。

パソコンやテレビ等のモニター(ディスプレイ)は、同型モデル(機種)でも同じ色を表示しているとは限りません。モニターの経年劣化や部屋の明るさ等でも見え方は変わってきます。

ま、個人使用のパソコンの場合、色味の違いが問題となることは(ほぼ)ありません。人間の目は色の違いに寛容です。多少色味に違いがあっても気になることはありません。ただし寛容な目も“比較対象”があると違いを感じ取ってしまいます。

例えば、、、
・複数台のモニターを並べて使う
・プリンターで印刷したものと、画面を比較
・他の人と色合いを共有する

デュアルディスプレイ環境で画面ごとに色が違ったらイヤですし、作った資料やチラシを印刷してみたら、画面の色と違っていたら困りますよね。。。

そんな環境によって左右される色味の問題には「モニターキャリブレーション」という解決方法があります。今回、紹介する『x-rite i1Display Pro』を使えば、簡単に色味の調整をすることが出来ます。

x-rite (エックスライト) i1Display Pro
http://www.i1color.jp/i1display_pro.html
Xrite161_2
<製品仕様>
同梱物:i1Display Pro測定器(USBケーブル、おもり付き)/クイックスタートガイド/
製品保証書、付属ソフトウェア:i1Profiler、Pantone ColorManager、対応デバイス:ディスプレイ(液晶 ・ノートパソコン)、サイズ:高さ192mm x 幅142mm x 奥行52mm 
重量:269g、保証期間:1年間、対応OS:Windows/MacOS

製品特徴
・高精度 i1Display Pro測定器
・プロジェクター対応
・スマートフォンやタブレット(アプリ)対応
・PANTONE Color Manager付属

(1)測定器
キャリブレーションを行うための測定器の大きさは、高さ66mm x 幅65mm x  奥行39mm (実測値:ケーブル含まず)、重さは 130g (実測値:ケーブル含む)でした。大きさはコンビニおにぎりぐらいでしょうか?w

Sdsc01022

Sdsc01012測定器はレンズが内蔵されており、モニター面に接して色を測定します。カバーを掛けた状態では環境光を測定するのにも使います。

USBケーブルにはクリップ状の“おもり”が付いており、測定器をモニターに設置する際のバランス取りに使います。プロジェクターのように大きなサイズの場合は、測定器にカメラ三脚と同じ穴が設けてあるので、様々なモニターでキャリブレーションできます。

(2)使い方/使用感
まず、付属ディスクから「i1Profiler」と「Pantone ColorManager」をインストールします。i1Profilerがキャリブレーションに使うソフトです。(Pantone ColorManagerについては後述)

Xrite141_2

測定器をパソコンと USB接続して、付属ソフト「i1Profiler」を起動すれば準備完了です。肝心のキャリブレーションは i1Profilerの画面に手順が表示されるので、指示に従って操作するだけでOKです。

キャリブレーションは大きく分けて2種類あり、「簡易モード」と「詳細モード」があります。どちらも最終的に「ICCプロファイル(色空間データ)」を作成できます。取りあえず「難しいことはわからないけど使ってみたい!」という人以外は詳細モードでいいと思います。

■簡易モード (3ステップ)
Xrite122

■詳細モード (5ステップ)
Xrite121

詳細モードの場合、モニターと測定器のカラーマッチングを作成するパッチセットを3種類から選ぶことが出来ます。測定時間は“パッチセット”のサイズによって異なります。

パッチセット小 (118色) パッチセット中 (211色) パッチセット大 (462色)
Xrite131 Xrite132 Xrite133

測定時間の目安ですが、Core i7 2.67GHzのノートPCで、パッチセットの小(約2分)、中(約4分)、大(約7分)でした。大きなパッチセットを選ぶ方がより厳密に色調整は出来ますが、そのぶん時間がかかります。ちなみに測定器は側面にLEDがあり、キャリブレーション中は点滅します。

測定が終わればキャリブレーションの結果を見られます。調整前後の比較を出来るのも便利ですね。下画像はノートPCの画面をデジカメで撮影したもの。判りづらいですが色合いが少し違います。

適用前 適用後
Xrite15bf Xrite15af

★次回は「i1Display Pro」の使い勝手の続きと、気になったこと等を紹介したいと思います。

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