音楽

2015年2月28日 (土)

SONY ウォークマン NW-A16を使ってみた。 (3)

ウォークマン NW-A16の第3回目。今回は「操作」「気になったこと」「まとめ」で記事を締めくくりたいと思います。

(6)操作感
<ハード面>
前モデル(NW-A867)はタッチパネルでしたが、今回はハードキーによるボタン操作になりました。タッチパネルにありがちな“誤タップ”がないので、操作に確実性があります。本体右側にはボリュームキーとホールドスイッチがあります。移動中はホールドスイッチをセットしておけば、すべてのキーがロックされるので、鞄の中で誤作動する心配もありません。

# 操作感ではありませんが、アルミボディなので触るとひんやりしますw

Nwa1032
<ソフト面>
新ウォークマンに microSDが採用されたのは手放しで嬉しかったのですが、ひとつ不安だったのが、『microSDに保存した曲はモタツキなく選択・再生できるか?』という点でした。結果的には、モタツキもなく快適に使えています。ハイレゾ音源のファイルはサイズが大き目ですが、読み込みも一瞬です。ジャケット一覧にしてみても不満のないレベルで表示されます。

(7)気になったこと
■曲の書き出し先メモリーは排他仕様
SDカード設定のメニュー内に「USB接続先メモリー選択」という項目があります。この項目ではパソコンからアクセスできるメモリー(本体メモリー or microSD)を選択できるようになっています。

少し気になるのが、パソコンからはどちらか一方のメモリにしかアクセスできません。任意のメモリーへアクセスしたい場合は、ウォークマンの設定メニューから選び直さないといけません。シームレスにアクセスできる方が便利なので、マルチドライブに対応して欲しいですね。※1

※1: 問題となるのは曲の書き出しの時だけで、音楽ファイルはどちらのメモリーに入れても、曲一覧に表示および再生できます。

ちなみに、ウォークマンで初期化した microSDは、メディアを取り出せば単体で Media Go (音楽転送ソフト)から曲転送できます。※microSDの読み出しに「SDカードリーダー」が必要です。

(8)高音質コーデック LDAC対応 (予定)
今年(2015年) 1月に発表されたばかりの高音質コーデック「LDAC」に NW-A16/A17も対応される見込みです。ファームウェアのアップデートで行うとのことで、今年の4月リリース予定です。

[本体ソフトウェアアップデートのお知らせ (2015年4月開始予定)]
http://www.sony.jp/walkman/info2/20150122.html

既存の Bluetoothの SBC (A2DP)と比較して、約3倍の情報を転送することが出来ます。早い話が「今まで以上にBluetoothの音質が良くなる」ということです。ただし、LDACはウォークマン側だけが対応してもダメなので、LDAC対応のスピーカーやヘッドフォンも揃える必要があります。そのため、再生環境はしばらく限られそうです。

とはいえ、LDACに対応する/しないとで、将来性も変わってくるので、ユーザには朗報ですね!

Nwa1031

(9)まとめ
3回に分けてウォークマン NW-A10シリーズを紹介してきました。最後にまとめで記事を締めたいと思います。

音楽プレーヤーの競合相手はスマートフォンになると思います。スマートフォンでも音楽再生は可能ですし、ウォークマンのような「専用機」をわざわざ持ち運ぶユーザ層が、どの程度いるのか不明です。感覚的に少数と思われます。

では、私が専用機を持ち歩く理由は何か?、、、理由は2つあります。一つ目は静かな場所では良い音で音楽が聴きたい。二つ目は(音楽を聴きたい時に)スマートフォンや携帯電話のバッテリー残量を気にしたくないからです。

ウォークマンは「手持ちの音楽ファイルが鳴ってくれればいい」という人には向いていません。静かな場所で目を瞑って音楽を聴くような人にオススメな製品です。

「日常の雑踏や喧噪から離れて純粋に音楽に没頭したい」「自由時間は好きな音楽を聴いて癒やされたい」etc...音楽への欲求は人それぞれです。どうせ同じ時間を使うなら、高品質な音で過ごしてみるのも、有意義な時間の使い方だと思います~

(10)おまけ
ハイレゾに猫まっしぐらw
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2015年1月30日 (金)

SONY ウォークマン NW-A16を使ってみた。 (2)

年をまたいでしまいましたが、引き続きウォークマン NW-A16の紹介をしたいと思います。今回は「音質」レビューになります。

(4)音質レビュー
購入から今までに 100時間ぐらいは再生しています。
レビューを書いた後に付属ヘッドフォンで試聴するのを忘れたことに気付きましたw

<レビュー対象>
 NW-A16  32GB  2014年モデル

<比較対象>
 NW-A867 64GB  2011年モデル

<試聴イヤホン>
 XBA-H3, MDR-1RBT, MDR-EX1000

イコライザや DSEE HX等の音質機能は基本的にオフにしています。複数のイヤホンで試聴していますが、特に断りのない限り共通した感想を書いています。音源はハイレゾとCD音源(FLAC)と両方を試聴しました。楽曲は主に J-POPやクラシック(オーケストラ)です。

■高音域
旧モデルと比べると頭ひとつ分ぐらいの伸びがありますね。トランペットの高音は伸びやかで、澄んだフルートの音は心地よいです。パーカッションのコンガはシャープで張りのある音です。イコライザが無い状態だと低音が大人しい分、高音の方が耳に残りやすいです。

■中音域
旧モデルでは、ロスレス音源でもウォークマンには特有の“ザラツキ”がありました。具体的には音にツヤや張りが無くなり、音が薄っぺらく感じることがありました。新モデルではザラツキもだいぶ改善され、音に潤いがあります。電源やコンデンサ周りの改善が功を奏しているのかも知れません。

■低音域
イコライザのない状態だと非常に大人しい低音です。スッキリした音がします。フラット設定だと評価しづらいのが本音ですw イコライザを入れるとアタックの強い音が愉しめます。(それでもスッキリした音)

■全体的な印象
ウォークマンらしい軽快な音です。ハイレゾによって高音域の天井は高くなり、豊富な情報量から音のきめ細やかさを類推できます。ハイレゾの魅力をわかりやすく表現しているハードだと思います。

音質設定オフだと素朴な音になりやすいので、イコライザやサラウンド(VPT)などで自分好みの味付けをするのが良いと思います。(or クリアオーディオ+を使う)

率直な感想をいうと、「ボーカル域はもっと厚みがある方がいい」と思いました。高音/低音はハイレゾのクオリティーを感じるものの、ボーカル(中音域)は今までと変わらない普通の音に聞こえました。

ボーカル域が良く聴こえるだけで、満足度はもっと高くなるに違いありません。期待から辛口なコメントになってしまいましたが、エントリー機としての役割は果たしています。ついアレコレ欲しくなってしまうのは、私の悪いクセw

ま、音に物足りなさを感じたら、ポータブルアンプ(PHA-1/2/3)や上位機種 NW-ZX1/ZX2などへステップアップして欲しいのかも知れません。

そそ、ウォークマンを試聴していていつも思うのですが、ウォークマンは左右の音のバランス(パン)がシッカリしていますね。左右の音ズレによるクロストークも感じませんし、いつも関心します。

(5)音質設定メモ
ウォークマンには音質に関わる多くの設定があります。ここではハイレゾ・ウォークマンで追加された 2つの音質設定について紹介します。

<Clear Audio+>
「クリアオーディオプラス」が搭載されました。簡単に説明すると曲に合わせてNW-A10側で音響効果を自動で設定してくれるものです。概ね音に厚みが出ますね。ただし、「クリアオーディオプラス」には難しい点があります。

  1. 曲によって効果はマチマチ
    ハードが自動的に最適な音響効果を選択しているので「気持ちの良い曲」or「効果の薄い曲」に分かれます。効果がビシッと決まると、同じ曲でも新鮮みがあります。味付けが違うだけで、こんなに曲の表現が変わるのかと驚くことも。
  2. 効果はヘッドホンに依存
    XBA-H3で再生してみたところ、(曲にもよりますが)良好な結果が得られました。
    MDR-1RBTでは少し低音がゴワゴワした感じになり、自分でイコライザ設定した方が幸せかも。。。
  3. ナチュラルな音とはほど遠い
    クリアオーディオプラスは原音に手を加えた“作られた音”がします。例えるなら、高精細な液晶画面に表示された名画を見ている感じでしょうか。美術館へ行かなくても名画を見られるメリットはありますが、本物が放つ凄みのようなものがスポイルされている気がします。

あと、注意点としては Clear Audio+を有効にした際は「各種音質設定 (イコライザー/VPT/クリアステレオ)」が使えなくなります。(排他仕様)

<DSEE HX>
CDや圧縮音源(mp3)などの“ハイレゾ未満”の音源を「ハイレゾ化」する機能です。効果としては「高音域の伸びが良くなる」「音の滑らかさが増す」などハイレゾと共通の美点を有しています。

ただし、ハイレゾ化と言っても擬似的な機能なので、過度な期待は禁物です。
ウォークマンは高いレベルでハイレゾ化(アップスケール)してくれますが、曲によって音質向上する/しない場合があります。

具体的には「低音が痩せる」「高音に刺激を伴う」ように聞こえる場合もあります。他オーディオプレーヤーでも同じ傾向があるため、ウォークマンが駄目という訳ではありません。まだまだ改善の余地のある分野のようです。なお、DSEE HX使用時は「Clear Audio+」を選択できません。

★次回はウォークマン NW-A16の「気になったこと」「まとめ」を記事にしたいと思います。

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2014年12月31日 (水)

SONY ウォークマン NW-A16を使ってみた。

久しぶりにウォークマン(2014年モデル)を購入しました。ウォークマンのレビューは2011年発売の NW-A867以来です。この3年間でどのような進化を遂げたのか、レビューの中でお伝えしたいと思います。

[SONY ウォークマン NW-A10シリーズ]
http://www.sony.jp/walkman/products/NW-A10_series/

Nwa1010
<製品仕様>
■再生:音楽、ビデオ、写真、FMラジオ、ポッドキャスト ■対応フォーマット:MP3/WMA/ATRAC/ATRAC Advanced Lossless/リニアPCM(WAV)/AAC/HE-AAC/FLAC/Apple Lossless/AIFF ■音質機能:デジタルアンプ S-Master HX、ノイズキャンセリング機能、DSEE HX/クリアステレオ/クリアベース/イコライザ/VPTアコースティックエンジン/ダイナミックノーマライザ/クリアフェーズ/ハイレゾ音源対応/クリアオーディオプラス ■寸法・質量:最大外形寸法: 約44.4x約109.1x約9.1mm 外形寸法:約43.6x約109x約8.7mm 充電池含む:約66g

2014年版ウォークマン(NW-A10シリーズ)は、メモリ容量によって「NW-A17 (64GB)」と「NW-A16 (32GB)」の2つのモデルがあります。両機種の違いはメモリ容量だけなので、機能的な差はありません。購入時は「持ち運びたい曲数」や「価格」などで選べば良いと思います。この辺はスマートフォン選びと変わりありませんね。

今回のウォークマンの特徴は2つあります。
まず、特徴のひとつは『ハイレゾ音源』に対応したことですね。今まではハイレゾ機は高価で、オーディオ好きの嗜好品なところがありました。NW-A10シリーズが登場したことでグッと低価格になりました。また、オーディオ専門店でしか購入できなかったハイレゾ機が、一般的な家電量販店で購入できるようになったのもポイントかも知れません。

Nwa1012_3
特徴のもう一つは『microSD対応』です。ウォークマンは(一部を除いて)外付けメモリの採用に消極的でしたが、NW-A10シリーズでついに対応しました。microSD (SDHC/SDXC)で容量を上乗せできるので、安価な 32GBモデルを購入して初期出費を抑えることが出来ます。今後 メモリが足りなくなったら、より大容量の microSDへ移行すればOKです。私も今回は 32GBモデルの NW-A16を購入しました。

Nwa1013
ちなみに最新のNW-A10シリーズはタッチパネルではありません。2011年発売のウォークマン NW-A860シリーズはタッチパネル液晶でしたが、2010年発売の NW-A850シリーズのようにハードキー操作に戻りました。

(1)大きさ・重さ・デザイン
本体サイズは 約43.6×約109×約8.7 mmと小型でやや縦方向へ長いです。ワイシャツのポケットに難なく収まりますが、ポケットのデザインによってはイヤホンのジャック部分が頭を出すかも知れません。

重さは約66gと軽量なので、スマートフォン(携帯)+ウォークマンの組み合わせで持ち歩いても、それほど苦にならないと思います。

操作ボタンは“ダイヤ”の形をしたシャープなデザインです。旧モデルは丸みのある柔和なデザインでしたが、一転エッジの効いたデザインになりました。ボタンは特に押しにくいこともなく、適度なクリック感があります。 

端子系統も旧モデルのものと継承しており、パソコンやオーディオとの接続には専用のWM-PORTを使います。本体に「WM-PORT専用 USBケーブル」が一本同梱しています。

(2)音質
Nwa1014イコライザや音響効果をオフにした状態だと、過去のウォークマンとほぼ同じ感じで鳴っています。旧モデルと聞き比べてみると、若干 音の密度が上がっている感じがします。ウォークマンはロスレス音源でもザラツキ(パサパサ感?)がありましたが、それが緩和されている感じがします。ZX-1でも採用されているコンデンサ「POSCAP」のお陰かも知れません。

※詳しい音質のレビューは次回の記事で紹介いたします。

(3)仕様・その他
■「いたわり充電」が出来るようになった
些細なことかも知れませんが、NW-A10では「いたわり充電」が出来るようになりました。バッテリーをあえて満充電にしないことで、バッテリー寿命を延ばせます。再生時間は短くなってしまいますが、長期間使用したい人には朗報ではないかと (学生さんとか)

■長時間スリープの復帰後に前回再生曲が選択されるようになった(?)
旧モデルを持っている人でないと、何のことを言っているか判らない思いますw
以前のモデル(NW-A860)では、長時間スリープから復帰すると「索引の1曲目」が選択されていました。この謎仕様が NW-A10では改善されており、前回再生曲を選んだ状態になっています。

★次回はウォークマン NW-A10の「音質」について記事にしたいと思います。

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2014年1月27日 (月)

密閉型インナーイヤーレシーバー「XBA-H3」を使ってみた。 (2)

前回は XBA-H3の仕様や使用感などを紹介しました。今回は XBA-H3の後編で「音質」「気になったこと」「まとめ」になります。

(4)音質
イヤホンを購入して一番気になるのが音質ですね。今回も音域別にインプレッションをお伝えしたいと思います。なお、XBA-H3は発売日(2013/10/25)には手に入れており、現在までに 100時間以上は再生していると思います。

<レビュー対象>
 XBA-H3

<比較対象>
 MDR-EX1000, MDR-1RBT

[再生プレイヤー]
iBasso Audio HDP-R10
Gein: Lo / EQ: OFF / DF: low Roll-off / SRC: OFF / Firmware: v9.0.3β

XBA-H3のファーストインプレッションは『耳の中でBOSEのスピーカーが鳴っているw』でした。例えるなら、カラオケ店へ行った時に感じるスピーカーからの高い音圧と力強さ。それと同じような印象を XBA-H3から受けました。ソニーは景気/勢いが出てくるとドンシャリ傾向になるのかしらん?w

■高音域
「ハイレゾ」でもっとも恩恵を受けるのが高音域です。XBA-H3の高音域側の再生周波数帯域を確認すると MDR-EX1000(30kHz)よりさらに上の 40kHzまで帯域があります。

高音域の性能が MDR-EX1000以上ということで「サ行が刺さる」等を心配しましたが、結果から言うと杞憂だったようです。むしろ高音域で刺激を生まないように“抜け”が作られているように感じました。

エージング中は特定の音(楽器)だけ浮いて聞こえる事もありました。具体的には、CD音源(16bit/44.1kHz)で「スレイベル(鈴)」や「タンバリン」などの金属音がカチカチと耳に付く感じがしました。今でも曲によっては気になることもありますが、エージングでだいぶバランスも良くなっています。

もっとも、CD音源ではカチカチ聞こえた高音も、ソースをハイレゾ音源に換えてみると評価も一変。曲の魅力を増す「澄んだ音」に聞こえるのが不思議でした。やっぱり XBA-H3が本領を発揮するのはハイレゾ音源ですね。

■中音域
中音域の確認にはポップスのボーカルに注目して聴いています。凡庸なイヤホンは、アカペラは上手く聞こえても、他の楽器が加わっていくとボーカルが音に埋もれる傾向にあります。

その点、XBA-H3の場合、他の音色がミックスされて行っても、音が埋もれてしまうことがありませんね。むしろ、音が重なり合うツインボーカル(デュオ)の曲でハイブリッド型(BA+D)の奥深さを見たような気がします。デュオの“ハモり”を体感できた時は嬉しくなってしまいましたw

■低音域
シッカリした低音は曲に安定感を与えますね。BA型も内包しているので低音にもキレがあり、小気味よい感じです。モニター好きの人にはややドンドンして聞こえるかも知れません。ただ、一般向けには低音が出ている方が人気は出そうです。

他のイヤホンでも、ポップスのドラムが常時ズンドンしているとウンザリしますが、XBA-H3の低音は程よく抑えられているので不快な感じはありません。イヤホンのポテンシャルは高いので、音域があえば「地響きするような低音」も味わえます。

■音質まとめ
XBA-H3は小柄ながら映画館やホームシアターで聴いている様な迫力を持っています。今回、試聴に『ミッション:インポッシブル (1996年)』のサントラを聴いてみたのですが、映画館で聴いた音と迫力がそのままだったので思わず笑ってしまいましたw

[ミッション:インポッシブル ― オリジナル・サウンドトラック]
Mip_cd11_2
※同CDはハイレゾ収録ではありません。画像は amazon.co.jpより引用

XBA-H3をより愉しむにはハイレゾ対応プレーヤーでハイレゾ音源を再生するのが望ましいですが、既存のプレーヤーでも再生能力の高さは実感できます。マニアな人はモチロン、『ハイレゾって何?』という“ハイレゾ初心者”の方にも、CDや圧縮音源(mp3等)との違いを感じ取って貰えると思います。

ここまで音質の感想を書いてきましたが、最後に注意点があります。
今回、試聴に使った HDP-R10はβ版ファームウェアを使っています。HDP-R10はファームウェアのバージョンによって音の聞こえ方が微妙に違います。ただし、これは HDP-R10に限った話ではなく、「音の伸び」や「音域ごとのバランス」など、メーカーの設計ひとつで性格もガラリと変わります。

そのため、XBA-H3の購入を考えている人は、ぜひ試聴をオススメ致します。日頃使っている音楽プレーヤーで音を確認して、納得して購入するのが良いと思います。

(5)気になったこと
ソニー初のハイブリッド型ですが、不満点はほとんどありません。ただ、細かな部分で気になった点を書いておきます。

・コードは長め
接続コードは長さが 1.2mあり、ワイシャツの胸ポケットにウォークマン(NW-A867)を入れた状態だと、コードはかなり余ります。付属品に「ケーブル巻き」を同梱していますが、グルグル巻きになったコードは見栄えが良くないです。個人的にはリモコン付コードは不要なので、ショートケーブルを付属して欲しかったです。

・イヤーハンガーが密着しない?
耳の後ろ辺りに来るケーブルの巻き込みが弱い感じがします。ま、密着し過ぎると、逆にイヤな人もいるかも知れません。MDR-EX1000に慣れ親しんだので違和感を感じるだけかも?

(6)まとめ
XBA-H3は魅力のある製品であるものの、実勢価格で 3万円を超えるため、購入を躊躇っている人もいるかと思います。試聴できるショップなどは少ないかも知れませんが、ぜひ実機を試して欲しいですね。今までのイヤフォンと比べて、音の密度の違いに気づいて貰えると思います。そして試聴で気に入れば、(購入に向けて)背中を押してくれることと思いますw

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[★ヘッドフォン/イヤフォン関連記事]

2013年12月31日 (火)

密閉型インナーイヤーレシーバー「XBA-H3」を使ってみた。

2013年10月、ソニーから新しいインナーイヤー型イヤフォン『XBA-H3』が発売されました。このイヤフォンの特徴は「ダイナミック型とバランスド・アーマチュア(BA)型 x2 の 3ウェイ構成」と、正道を行く?ソニーにしてはかなりイロモノ感がありますw

XBA-H3は「ただのイロモノなのか?」それとも「パフォーマンスの高い製品なのか?」興味が湧いたので購入してみることにしました。

[密閉型インナーイヤーレシーバー XBA-H3]
http://www.sony.jp/headphone/products/XBA-H3/

Xbah311_2
<製品仕様>
型式:密閉ハイブリッド、ドライバーユニット:ハイブリッド 3ウェイ (16 mm ダイナミック + 2基 バランスド・アーマチュア)、感度:107dB/mW、再生周波数帯域:3Hz-40,000Hz、インピーダンス:40 ohm(1kHz)、最大入力:100mW *2、コード長:1.2m、コードタイプ:接続コード(1.2m)/スマートフォン対応マイク/リモコン付きオーディオコード(1.2m)、質量:約10g

実は発売日には入手していたのですが、記事にする時間がありませんでした(言い訳)。かなり後発のレビューですが、XBA-H3をご存じの方も復習をかねて、製品特徴からお付合いください。

<製品特徴>
・ダイナミック型と BA型を混在した『HDハイブリッド3ウェイドライバーユニット』
・ダイナミック・ドライバーに『液晶ポリマーフィルム振動板』を使用
・ソニー認定『ハイレゾ・オーディオ対応』イヤフォン

特に「液晶ポリマーフィルム」の採用は、MDR-EX1000、MDR-1RBTとも好感触だったので期待がかかります。

(1)仕様・その他
製品仕様から気になった部分を抜粋して紹介します。

■再生周波数帯域
XBA-H3の再生周波数帯域は 3Hz-40kHzとかなり広い帯域をもっています。参考までにEXモニターシリーズ最高位モデル「MDR-EX1000」では 3Hz-30kHzだったので、数値上の性能では上回っています。

ま、感覚で判断することの多い音楽製品を数値(再生周波数帯域)で比較するのは、抵抗はありますが、製品を比較する「目安」と捉えれば良いかと思います。

ちなみに、ソニーでは 40kHz以上の再生周波数帯を持った製品で、社内試験にパスしたものは「Hi-Res Audio」対応機器として認定されています。 (XBA-H3はハイレゾ対応製品)

■ドライバーユニット部は大きい
Xbah3121ドライバーユニットのハウジング部は“大きめ”と言われる MDR-EX1000よりもさらに大きいです。 (画像:左側 MDR-EX1000、右側 XBA-H3)

ダイナミック型と BA型を両方搭載しているので、サイズが大きくなることは想像していましたが、、、(^^;;; 幸い?鏡に映った自分の姿(耳)を見てみても、それほど異物感や違和感はありません。

ドライバユニット部(片耳)の実測値は 36mm x 13mm(突起部、イヤーピース込)で、重さは 5gと大きさの割に軽いです。MDR-EX1000が片耳 4gだったので、BA型 x2基追加で 1g増で抑えているのは見事です。

■ケーブルは交換式
ドライバーユニットとケーブルを接続する端子は Shureなどで採用されている「MMCXコネクタ」になりました。MDR-EXシリーズは独自路線でソニー製しか選べませんでしたが、サードパーティ製と交換(リケーブル)する愉しみも出来ます。ただし、MMCX完全互換ではないので、他社製ケーブルを購入する際は注意が必要なようです。※1

※1: MMCX採用イヤフォンでリケーブルを楽しむ -- AV Watch
http://av.watch.impress.co.jp/docs/topic/20131024_619768.html

MDR-EX1000で断線を何度も経験しているので、ケーブル交換式かどうかはイヤフォン購入の判断材料になっています。交換式であれば、修理期間中に使えなくなることもありません。

(2)使用感
使用中に感じた印象などを紹介します。

■着け心地は軽い
大きさも重さもあり、耳に装着したら違和感があると思っていましたが、耳とドライバー部分の支え方がいいのか不思議な軽さがありますね。もっともイヤフォン自体の重さが無くなった訳ではないので、音楽プレーヤー付属のイヤフォンから乗り換えた人には、重さを感じるかも知れません。

イヤフォンを付けた状態で歩いてみてもズレる感じもありません。また、「セレーションコード」を採用しており、ケーブルが衣服と擦れた時の音などは伝わりにくくなっています。

Xbah3141

■イヤーハンガーは耳障りがソフトになった
耳にあたる部分がシリコン?ゴム?の様な柔らかい素材となっています。当たりがソフトになったような気がします。(MDR-EX1000比)

■音の印象
音の印象は『硬軟自在』といった感じですね。以前のソニー製の BA型はまだ熟成していなかったのか?音に“堅さ”や“芯”のようなものがありました。新モデルの XBA-H3は BA型らしいシャープな描写をしつつ、“しなやかさ”を感じるようになりました。

もしかしたら、BA型ユニットの振動板が鉄→アルミに変わったことが功を奏しているのかも知れません。細やかなブラッシュアップの積み重ねを感じます。

※「音質」の記事はこちら

■遮音性
MDR-EX1000と比較して、少しマシになった程度です。電車内で音楽を聴いていても、周りの音は耳に入ってきますね。ま、遮音性を上げると閉塞感に繋がることもあり、適度にイヤホン周辺の空気や音がある方が心地よい場合もあります。遮音性重視の方は試聴をオススメします。あと、言わずもがなシリコンフォームイヤーピースの方が遮音性は高いです。

■音漏れ
音楽プレーヤー側でシッカリ音を出していても、音漏れは少なめだと思います。元々、インナーイヤー型は音漏れ防止には強いですが、公共の場では自分の耳の為にも少しボリュームは絞った方がいいでしょう。 (⇒ それでも充分 聴き取れます)

(3)付属品関連
■付属コード 2本
再生/停止をコントロールできる「スマートフォン用リモコン・マイク付きコード」も付属しています。短めのケーブルはなく、その代わり?「ケーブル巻き」が付いています。個人的にはスマートフォンの操作はしないので、ショートケーブルを付属してくれる方が良かったですね。(or別売希望)

■専用ポーチは使いやすい形になった。
Xbah3131_3 隠れた魅力に「専用ポーチ」がソニーの別製品(MDR-EX1000等)に比べ使いやすくなりました。ポーチは内側に“ポケット”が2つあり、イヤーヘッド部分とコード部分をわけて収納することが出来ます。混雑した駅ホームなどでも場所を取らず、収納・取出もでき便利です。ポーチ自体の見栄えは高級感こそありませんが、実質本位で好感が持てます。

★次回は密閉型インナーイヤーレシーバー XBA-H3の「音質」や「まとめ」を記事にしたいと思います。

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[★ヘッドフォン/イヤフォン関連記事]

2012年12月31日 (月)

ワイヤレスステレオヘッドセット ソニー MDR-1RBTを使ってみた。 (2)

前回は MDR-1RBTの「概要」や「使用感」「MDR-1Rシリーズの違い」などを紹介しました。今回は MDR-1RBT 機能面の続きと音質の記事になります。

(3)機能面
■音漏れ/遮音性能
「機能」ではありませんが、音漏れ/遮音性能に触れておきたいと思います。MDR-1RBTは十分な音量※1 で聴いていると微かに音漏れがあります。歌詞や曲フレーズがそのまま漏れている訳ではなく、空気を振るわす音がします。耳を近づけないと分からないレベルですが、電車内で隣席する人には気になるかも知れません。

※1: 音量の目安は iBasso Audio HDP-R10で 190/255付近(Gein: Mid)、ウォークマン NW-A867で 13/30付近で確認

遮音性はそこそこあります。構造的にも耳をスッポリ覆うタイプのため外部の音は届きにくいです。ま、“そこそこ”なので駅構内のアナウンスや携帯の着信音は聞えて来ますね。もっと高い遮音性能を求めるのであれば、ノイズキャンセラ搭載の「MDR-1RNC」を考慮に入れてもいいかもしれません。

■USB充電対応
充電はUSBケーブル(microUSB)を使って行います。左耳側にUSB端子があります。充電時間は 約6時間ほどで再生/通話は約30時間可能です。バッテリーは内蔵タイプなのでヘタって来たら修理対応になると思います。

(4)音質
購入した機器は MDR-1RBTですが、ケーブル接続時の音質は MDR-1Rと同じだと思います。ここでは主にケーブル接続でリスニングした感想になります。Bluetooth接続時の音質は最後に書きます。

■前提条件

<レビュー対象>
 MDR-1RBT + iBasso Audio HDP-R10

<比較対象>
 MDR-EX1000 + iBasso Audio HDP-R10

[HDP-R10共通設定]
Gein: Mid / EQ: OFF / DF: low Roll-off / SRC: OFF / Firmware: v8.0.2 / Etc: MDR-1RBTとHDP-R10はケーブル接続

MDR-1RBTを手に入れてから現在までに 50時間以上は再生していると思います。再生から最初の数時間は音域バランスの悪さを感じましたが、熟れてくるとバランスも大分良くなってきました。

まず、MDR-1RBTを聴いて思ったのが“愉しめる音”だということです。どうしてもモニター指向の強いヘッドフォンは、“不快な音”であっても原盤に録音されていれば再現する向きがあります。その点、MDR-1RBTは音にモニター製品のような尖った感じやギスギスした感じを受けることはありません。

人間の性格に例えるなら、MDR-EX1000のような「生真面目タイプ」は何事にも実直な反面、特有の窮屈さを感じたり、面白みに欠ける所があります。MDR-1Rシリーズは「明るく弾けた感じ」のキャラクターなので、親しみを持ちやすいと思います。(与えられた役割や能力は別にして)

オーバーヘッド型はドライバーユニットが大きく取れることもメリットですね。大きなドライバーユニットから繰り出される音には豊かさや余裕があり、音圧もシッカリ感じることが出来ます。カナル型ではドライバーユニットのサイズに制限を受けやすく、低音域の音の深さには限界がありますね。

以下は音域別の感想になります。

■高音域
高音~中音域は「液晶ポリマーフィルム」の真骨頂というべき領域ですね。

サックスに代表されるような金属的な音の再現性は、ダイナミック型の振動板よりバランスド・アーマチュア(BA)型の方が優れている様に感じますが、MDR-1Rに採用されている「液晶ポリマーフィルム」は BA型にも引けを取らない音を聴く事ができます。

音の伸びや透明感では MDR-EX1000に一歩及ばないものの、価格帯から考えれば十分な再生能力だと思います。購入直後は高音域と低音域のバランスが悪くギクシャクしたイメージを持ちましたが、エージングして行くとバランスは改善されました。

欲を言えばもう少し高音域に伸びがあれば良かったかなと思いました。私の知っている液晶ポリマーフィルムの性能であれば、高音域がもっと鳴っていても不思議はないのですが、、、ま、キリキリと高音域の限界まで音を出すとモニター製品との棲み分けも難しくなるのでしょう。

■中音域
安定した音で表情豊かに聞こえますね。音圧の強さからか音にドライブが掛かったような感じも受けます。(日頃はカナル型の低い音圧で聴いているので、、、)

ポップスのボーカル域で比較すると、MDR-EX1000は「肉声」に近い音でしたが、MDR-1RBTは「ホールで聴いている」感じに近いでしょうか?

ただし、距離感に優劣を付けるのは難しいです。例えば、MDR-EX1000は“リアル”で多彩な音が耳に飛び込んで来る代わりに、曲の主題を忘れて特徴的な音ばかり追いかけてしまうことがあります、、、w

MDR-1RBTはもっと曲全体の見通しが良いように感じます。「このパートはこの楽器が主役」かしっかり教えてくれます。他の音に浮気する気にもなりませんw 別の言い方をすると、モニターの MDR-EX1000は近視眼的で、MDR-1RBTは曲を俯瞰して見る(聴く)ことが出来ます。

■低音域
MDR-1RBTの低音域は MDR-EX1000を聴いた後だと少し低音が主張しすぎている感じもします。ただ、一般的?にはこれぐらい低音が出ている方が多くの人が愉しめると思います。反対に MDR-EX1000ではドライバーユニットの大きさ的にもここまで厚みのある低音は出せないと思います。

ポップスではバスドラムがしっかりリズムを刻んでくれるので、曲も全体的に安定して聞こえますね。他には映画音楽やポピュラー音楽を聞いてみると、バスサックスやバリトンサックスが奏でる深い低音も心地よいです。もともと液晶ポリマーフィルムは金属質な音は得意ですが、サックスが持つ独特の共鳴音がクセになりそうですw

<Bluetooth接続時の音の表現力>
前回も触れましたが、MDR-1RBTの特徴として Bluetooth接続時は高音質化技術「DSEE」や「S-Master」が使えます。(というかBluetooth使用時はオフに出来ないw)

DSEEや S-Masterのお陰で Bluetooth接続時に感じる「音質の劣化」は随分とマシになります。具体的には、他の Bluetooth製品と比較して S/N比は良く感じます。音量を上げても音がスカスカな状態はなく、音に厚みを残しつつエッジの効いた音が愉しめます。

あと、音質とは関係ありませんが、Bluetooth接続時は MDR-1RBTのハウジング部の操作ボタンで「音量調整(ボリューム)」と「再生/停止/曲送り等」が使えるので便利です。マイクも装備しているので、スマートフォンと接続してハンズフリー通話も出来ます。

(5)気になったこと
細かい点も含めて MDR-1RBTを使っていて気になった点を紹介します。

  • 端子カバー
    イヤフォン端子とUSB端子は端子カバーに保護されています。端子カバーは何度も開け閉めしていると緩くなって来そうです。残念ながら端子カバー自体を取り外すことも出来ません。もっとスマートな端子カバーは出来なかったのでしょうか? どうせなら端子カバーのない方が便利ですね。 
  • ケーブル周りのデザイン
    上記の端子カバーと関連しますが、ケーブル接続時の外観的な見栄えが良くありません。MDR-1Rと似たようなデザインに出来なかったことが惜しまれます。ソニーとしては「MDR-1RBTを買う人は Bluetoothがメインでしょ?」と言いたいのかも知れませんが、、、
  • apt-X非対応
    メーカーの仕様にもあるように、MDR-1RBTの Bluetoothは高音質コーデック「apt-X」に非対応※2 です。未だウォークマンが apt-Xに対応していない事にも理由がありそうです。“鶏or卵のどちらが先”でも構わないので早く apt-Xに対応して貰いたいですね。(追記) 後継機『MDR-1RBTMK2』では apt-Xに正式対応しました。
  • 接続コードは1本のみ
    意外にも、接続コードは 1.5mのものが 1本付属するのみです。今までの製品だったら 0.6mぐらいのケーブルがもう 1本付属していたのですが、、、 これもコスト削減の一環でしょうか?そそ、端子は「3.5mmステレオミニプラグ」で標準ステレオプラグではないので注意です。ソニーは独自規格になることが多いですが、MDR-1RBTは一般的なステレオミニプラグなので他社製の高音質ケーブルと交換して愉しむことも出来ますね。
※2: MDR-1RBTの対応コーデックは SBC、AACに対応

(6)まとめ
MDR-1RBTは「ワイヤレス(Bluetooth)をメインに使いたい」or「時々ワイヤレスでも使う」という人に向いています。Bluetoothの音質劣化が気になる方はベースモデルの「MDR-1R」をオススメします。(軽いし)

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オーディオが好きになってくるとモニター製品が気になったりします。ま、モニター製品を買って「今まで聞えなかった音が鳴っている!」と悦に入るのも楽しみの一つではあるのですがw 本当に自分にあった、自分の好きな音を奏でるヘッドフォンを探すのも愉しいと思います。

MDR-1RBTはモニター製品に目を向けがちだった自分への反省も含めて、今回は良い勉強になりました。いい音の基準は人それぞれですが、自分にあった「愉しい音」はきっと「いい音」に違いありませんよね。

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2012年12月22日 (土)

ワイヤレスステレオヘッドセット ソニー MDR-1RBTを使ってみた。

カナル型イヤフォンと耳かき好きが影響したのか外耳炎になりました。。。普段の生活では耳に痛みはないものの、カナル型イヤフォンを着けると右耳の中に痛みがありました。

今は耳鼻科への通院と投薬のおかげで痛みは治まりましたが、これからはイヤフォンで音楽を愉しむ時は耳への負担の事も考えないと行けなくなりました。カナル型だと構造的にイヤーピースが外耳道に触れるので、“非接触”のオーバーヘッド型を探してみる事にしました。ちょうど同じ頃、ソニーから「MDR-1Rシリーズ」が発売となりました。うーん、これは渡りに船だとw

今回は MDR-1Rシリーズの中でもケーブルでもワイヤレスでも両方愉しめる、Bluetooth対応の「MDR-1RBT」を購入してみました。

[ワイヤレスステレオヘッドセット MDR-1RBT]
http://www.sony.jp/headphone/products/MDR-1RBT/
Mdr1rbt13
※画像は公式ページより引用

製品(MDR-1RBT)の特徴は以下のようなものです。
・液晶ポリマーフィルム振動板
・フルデジタルアンプ S-Master搭載
・DSEE搭載
・エンフォールディングストラクチャー
・サイレントジョイント
・ワンタッチ接続(NFC)機能搭載

特徴の中でも振動板に「液晶ポリマーフィルム」が採用されている点は魅力に感じました。過去に液晶ポリマーフィルムを搭載したカナル型イヤフォン「MDR-EX1000」で高いパフォーマンスを感じており、MDR-1RBTへの期待も高まりました。

(1)MDR-1Rシリーズの違い
MDR-1Rシリーズ(1R/1RBT/1RNC)はデザインこそ踏襲していますが、仕様に違いがあります。主だった違いは下記の通りです。

型名 ドライバーユニット 再生周波数帯域 重さ 機能
MDR-1R ブラック
シルバー
40mm 4Hz-80,000Hz 約240g -
MDR-1RBT ブラック 40mm 4Hz-80,000Hz
20Hz-20,000Hz (BT)
約297g Bluetooth搭載
MDR-1RNC ブラック 50mm 5Hz-24,000Hz 約330g ノイズキャンセリング搭載

よくよく比較してみると、ノイズキャンセリング搭載の MDR-1RNCはドライバーユニットの大きさも違い、別物な感じですね。MDR-1RBTはベーシックモデルの MDR-1Rと比較するとやや重いです。重さの原因は通信機能(Bluetooth/NFC)や内蔵バッテリーを含んでいるためと思われます。

あと、注意点としては、MDR-1RBTと MDR-1RNCの本体色はブラックのみの展開です。MDR-1Rのようにシルバーはありません。購入した MDR-1RBTの「ブラック」のデザインですが、黒いボディに赤のアクセントが良い感じです。赤もワインレッドの様な落ち着いた色です。機構もデザインも全体的に品質を感じますね。

(2)使用感
購入したのは MDR-1RBTですが、使用感は MDR-1Rシリーズでほぼ共通だと思います。(音質については次回記事で紹介します)

■着け心地
イヤーパッド部に低反撥ウレタンが入っており耳の周りへの当たりがソフトに感じます。ハウジング内の奥行きはそれ程ありませんが、耳がハウジングに接触している感じはありません。その為、長時間のリスニングにも耐える事が出来ると思います。

また、ハウジング部とヘッドバンドをつなぐ部分は滑らかに動きますし、稼働部分からキコキコ音がすることもないです。しっとりとした稼働部分は着け心地の向上だけでなく高級感がありますね。

■収納に便利なスイーベル機構
ハウジング部をフラットにすることでカバン等に入れやすくなっています。専用ポーチも付属するので持ち運びにも便利です。

Mdr1rbt112_2

(3)機能面
MDR-1RBTには多くの機能が搭載されていますが、その中でも主だったものを紹介したいと思います。

Mdr1rbt121■ワンタッチ接続(NFC)機能搭載
NFC(近距離無線通信)が搭載されたスマートフォンを MDR-1RBTに“タッチ”すると Bluetoothのペアリングが完了するといった機能です。まだ、スマートフォンアプリしか無いようです。もし“Felicaリーダ”で代用できるのであれば、VAIO等や外付けの Felicaリーダー製品などもワンタッチ接続(NFC)出来れば良いですね。

Bluetoothのペアリング自体難しい操作ではないと思いますが、シームレスにペアリング出来る方法があることは歓迎したいですね。(NFC対応スマートフォンを持っていないので使用感はお伝え出来ません、、、)

■DSEE/S-Master搭載
MDR-1RBTには、ウォークマンにも採用されている高音質化技術「DSEE」や「S-Master」が搭載されています。

DSEEとは圧縮音源で失われてしまった高音域成分を再現する技術です。ウォークマンでは ATRAC3や MP3等の圧縮時に切り捨てられた高音域を補完していました。

ここで疑問があって「MDR-1RBTはソースが圧縮/無圧縮か判別する手段は無いのに、DSEEがどうして必要なのか?」ソニーへ問い合わせて見ました。ソニーの回答は『MDR-1RBTの場合、Bluetooth接続時のみ有効』との事でした。Bluetooth接続時の音質劣化※1を防ぐ目的に使われているものと思われます。

※1: 再生周波数帯域:4Hz-80,000Hz、Bluetooth使用時 20Hz-20,000Hz

MDR-1RBTは Bluetooth接続時はハウジング部のボタンでボリュームも操作も出来ますが、このボリューム処理にソニー謹製のデジタルアンプ「S-Master」が使われています。

Bluetooth接続時はプレーヤー側がどんなに優秀でもレシーバー(ヘッドフォン)側のアンプ性能に足を引っ張られます。MDR-1RBTにソニーの音響技術の中でもクオリティが確立※2 している S-Masterが搭載されたことに意味はありますね。

※2: “S-Master”はソニー社内にある S-Masterの認定委員会の認定を受ける必要があるそうです。(資料: PC Watch)

S-Masterも DSEEも「電源オン」状態(Bluetooth接続)のみ機能します。ノイズキャンセラ搭載の MDR-1RNCも電源が入っている状態で機能するとの事です。なお、DSEEと S-Masterの機能は個別にオン/オフすることは出来ません。

★次回は MDR-1RBTの「機能面」の続きと「音質」等を記事にしたいと思います。

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2012年11月 5日 (月)

ポータブル・ミュージックプレイヤー iBasso Audio HDP-R10を使ってみた。 (8)

今回は HDP-R10記事の締めくくり「まとめ」をお伝えします。その前に、まだ記事にしていなかった「Bluetooth機能」と「省電力設定」について紹介します。

(10) Bluetooth機能
HDP-R10には Bluetoothが搭載されています。ただし、メーカーの説明では「音に影響するので Bluetoothの使用は推奨しない」とのことです。メーカーで推奨されていないとはいえ「機能」としてあるので、Bluetoothのワイヤレスレシーバーを使って一通りの動作を試してみました。確認には「ソニーエリクソン MW600」を使用しました。

■「HD Music Player」での動作
標準の「HD Music Player」でも Bluetoothを使えます。面白いのが MW600から音は出ません。音は HDP-R10のイヤフォン端子から出力されます。その為、MW600を純粋にコントローラとして使えます。注意点は、MW600から音が出ないことに関連して、HDP-R10のボリューム操作はできません。

■「PowerAMP」での動作
Google Play (旧Android Market)経由でダウンロードできる音楽プレーヤー「PowerAMP」も Bluetoothが使えます。プレーヤー操作(再生/停止)の他ボリューム操作にも使えます。あと、「HD Music Player」と違い、音も MW600から出力されます。

もし、「PowerAMPから音が出ない!」と思ったら、Androidのシステムボリュームを確認することをお勧めします。HDP-R10の初期ボリューム(システム側)は“0”に設定されているので、そのままでは音が出ません。

上で説明したことを表にするとこんな感じです。(HDP-R10+MW600の組み合わせ)

- HD Music Player PowerAMP
再生/停止/曲操作
ボリューム操作 ×
音声出力 HDP-R10から MW600から
曲名表示 × ×

(11)省電力設定
HDP-R10は大容量バッテリーが搭載されていますが、ハイレゾ音源を再生させるとバッテリー消耗も激しいです。HDP-R10で使われている Android OSの一般的な?省電力の方法を紹介します。

  • [バックライト消灯は早めに]
    液晶を早めに消灯することはバッテリー持ちに効果があります。ただし、消灯を早めると頻繁に電源が切れるので、再度電源をオンする時にポップノイズを喰らいます。バランスが大事?
  • [画面の明るさを落とす]
    室内であれば画面の明るさを最小にしても画面の視野に影響は殆どありません。見づらくなるほど暗くする必要もありませんが、明るさは抑えておいた方がバッテリー持ちはいいです。
  • [画面の自動回転オフ]
    HDP-R10の画面回転は過敏なぐらい反応します。横画面に未練がなければ「画面の自動回転」はオフにしておいた方がいいですね。(設定すると縦画面固定になります)
  • Hdpr1082_4[無線LANや Bluetoothは基本オフ]
    無線LANや Bluetoothを使わない時は“機能オフ”にしておいた方がいいです。[設定]からオフにするのが面倒な人は、「ウィジェット追加」でホーム画面に電源系のウィジェットを追加しておくと便利です。
  • [SRC(アップサンプリング)を使わない]
    HDP-R10には「SRC(アップサンプリング)」の機能がありますが、アップサンプリングを使うと「音楽CD品質 (16bit/44.1kHz)」と比べバッテリーも消費されます。バッテリー持続を優先するのであれば、SRCは使わない方がいいですね。

(12)おまけ
HDP-R10は差込みプラグが多いので猫も飼い放題w  (実用性はありませんよ~ あしからず)

Hdpr1081_2
※大阪府にお住まいの T.Kさん、ネタ プレゼントありがとねーw

(13)まとめ
約 2ヶ月に渡って iBasso HDP-R10を記事にして来ました。振り返ってみるとHDP-R10の売りである「DSD対応」や「Optical(光デジタル音声)出力」など使用する時間がなかった為、紹介できませんでした。それらの機能を使うことがあれば別途記事にしたいと思います。

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一般的にはハイレゾ音源の認知度はまだまだ低いです。ただし、数年前の「非可逆圧縮ファイルを沢山詰め込んだ音楽プレーヤー」から、最近では音楽プレーヤーの大容量を活かして「より高音質な音楽プレーヤー」を望む層も増えてきたと、当ブログのアクセス数を見ても思います。

ハイレゾ普及には「音楽プレーヤー」側の対応と「ハイレゾ音源(音楽ファイル)」側の両方を整備する必要があります。この両輪が揃って初めて圧縮音源や音楽CDとは次元の違う音楽が普通に愉しめる時代が来ると思います。製造・配信メーカー各社にはハイレゾ普及に向けて邁進して貰いたいです。

将来的には、過去に発売されたアルバムも今の DVDやBlu-rayディスクのように「デジタル・リマスタリング対応」と高らかにうたって販売される時代がすぐそこまで来ています。HDP-R10はそんなハイレゾ時代に対応し、あらん限りの技術を音に捧げた一台だと思います。操作面では荒削りな所もありますが、HDP-R10の音を聴けばハイレゾ音源の良さが判りますね。

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2012年10月31日 (水)

ポータブル・ミュージックプレイヤー iBasso Audio HDP-R10を使ってみた。 (7)

最近注目が集まり始めているハイレゾオーディオですが、iBasso HDP-R10はハイレゾオーディオ普及の試金石となりそうな製品です。ただし、色々な面で『未完の大器?』と思わせる部分があります。今回は細かな部分も含めて、HDP-R10の「気になった点」を紹介したいと思います。

(9)気になったこと
■同期直後の「HD Music Player」が不安定
HDP-R10専用プレーヤーの「HD Music Player」は、パソコンと音楽ファイルを同期した直後に動作が不安定になります。具体的にはホーム画面から HD Music Playerを起動しようとすると [強制終了]or[待機]のダイアログが表示されます。どうも同期直後は裏でライブラリ更新しているようで、処理に時間が掛かっている模様です。対処策は、操作を急がずホーム画面の音楽プレーヤー(ウィジェット)に曲名表示されるのを待ってから、「HD Music Player」を起動するのがいいです。

こういった問題は Tipsで解決するのではなく、発売前にメーカー側でキッチリ対処して貰いたいですね。

■ボリューム操作の謎
HDP-R10の側面には「音量ボタン」がありますが、音量操作すると画面に「音量ダイアログ」が表示されます。この音量ダイアログには不満(疑問)が 2つあります。

  1. [ダイアログ内の音量調整]
    音量ダイアログは指でも音量を調整できるものの、画面(スライダー)が小さすぎて目的の音量に設定できません。具体的にはダイアログ内に表示されているのは 横 3.5cmの小さなスライダーで、指を使って 0-255段階を調整するのは無理があります※1。スライダーではなく、△▽ボタンならいざ知らず、設計に疑問を感じます。
  2. [音量ダイアログを閉じるのが面倒]
    音量ダイアログを閉じるには画面下のハードキー([バック][ホーム][メニュー]のいずれか)を押さなければなりません。これが意外と面倒で、ダイアログ以外を触れたら閉じるようにして欲しいです。(or 「閉じる」までの時間を調整できるようにするか)
※1: 音量 1ステップ = 約0.14mm --> 物理的にも細かいボリューム操作は無理ですw

音量ダイアログへの対策が難しいなら誤操作の元になるのでダイアログを触(さわ)れないようにして貰いたいです。

■曲の読み込みが遅い
手元の FLACファイル(約35MB)を選択して「HD Music Player」から音が出るまで「4~6秒 ※2」かかります。FLACやWAVなど音楽ファイルのサイズも大きいので読み込みに時間が掛かるのはやむを得ない部分もありますが、同じ Androidアプリの「PowerAMP」と比べると読み込みは遅いです。(PowerAMPはほぼ再生待ちナシ)

※2: 補足しておくと「HD Music Player」でも曲順で聴いている場合は、次の曲が先読みされているのか“待ち”は殆どありません。

■「HD Music Player」は Google Play対象外
「HD Music Player」は Google Play (旧Android Market)の一覧には表示されないアプリケーションです。その為、上述したような「HD Music Player不安定」等の修正はメーカーの発表を待つしかありません。

■SRC(アップサンプリング)使用時の音飛び
SRCでアップサンプリングした音楽を聴いていると、たまに音飛びします。音楽ファイルの保存先(内蔵メモリ or microSD)に関係なく音飛びが発生するようです。また、特定の曲という訳ではなく、何曲か聴いていると「プツッ」と音が聞こえます。

■画面オフのまま音量操作がしたい
画面ロックした状態では「音量ボタン」も無効になってボリューム操作が出来ません。反対に「音量ボタン」を使うには画面ロックの解除が必要です。画面(表示)オフで音量操作できないことで不便に感じたのが、例えば胸ポケットや鞄に HDP-R10を入れた状態でボリューム操作をしていると、誤って指が画面に触れてしまい爆音になったことがあります。HDP-R10で採用されている Android OSの仕様かも知れませんが、画面オフのまま、ボリュームを操作できると良かったですね。

■電源オン/オフ時にポップノイズがある
HDP-R10の電源オン/オフ時には盛大にポップノイズ(「ボフッ」という音)が聞こえます。正直、耳に良い音ではないので、何らかの回避策があれば良かったですね。慣れてくると耳にイヤフォンを着ける前に「再生」を押すようになりますが、、、

■中華フォントが気になる
HDP-R10はいわゆる「中華フォント」が使われています。曲名などに漢字が含まれていると日本語フォントに近い漢字が表示されます。曲名が代替の漢字であっても充分判別できるレベルなので使用上の問題はありませんが、見慣れないフォントのため違和感を覚えます。HDP-R10の空きメモリが減ってもいいので正式に「日本語フォント」をサポートして欲しいです。(今後のファームウェアに期待)

■ハードウェアのパワー不足による不満
HDP-R10は音楽プレーヤーなのでいい音で音楽が聴ければ満足なのですが、残念なことに曲を選ぶ等の基本的な操作でもモタツキがあります。 Android OSをベースとしているのでブラウザ等もインストールされていますが、CPUやグラフィック性能は非力なので「Android端末」としての使い勝手も良くありません。少し前に発売されたスマートフォンと比較しても遅い方かと。。。

HDP-R10を購入するような層だったら、あと数万円高くなっても快適に操作できることを望んだのではないでしょうか?ま、CPUパワーを求めるとバッテリー持ちと背反するので単純な話ではないのでしょうが、ユーザに不自由や不便を感じさせてはいけないと思います。

今からハードウェアの改善は難しいでしょうから、せめてファームウェアで対処できるソフトウェア面で処理の最適化など改善をお願いしたいです。

■バッテリー交換できないので 2年後ぐらいが心配?
HDP-R10のバッテリーは「内蔵タイプ」なので自前でバッテリー交換できません。 2年後ぐらい?にバッテリーがヘタって来たら「メーカー修理(バッテリー交換)」が必要です。確かに他の音楽プレーヤー(iPodやウォークマン等)もバッテリー交換できないものが多いですが、HDP-R10級の音楽プレーヤーを頻繁に買い換えることは考えにくく、予備バッテリーを保管しておけば修理に出さずに済むのでは?と思いました。

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■気になった点のまとめ
上述の「HD Music Player不安定」の事象など、もし iPodやウォークマンで同じ問題があれば信頼やブランドに傷が付いたハズです。また、Appleやソニーであれば数日~数ヶ月で対応パッチやファームウェアなどをリリースするハズです。

挙げたような問題を含め、販売しているヒビノ社も iBasso社も事態を真摯に受け止めて早急に対処をお願いしたいです。最近のメーカーは早く問題をピックアップして、都度 対応するのが有るべき姿だと思います。

最近は競合他社から HDP-R10を追随するような製品(HiFiMAN HM-901や iriver AK100等)も登場して来ました。発売前なのでライバル機の性能はわかりませんが、iBasso社もウカウカ出来ない状況のハズです。時間がある内に不満点は早く潰しておいた方がいいと思います。

今回の記事は HDP-R10への期待から苦言も多くなってしまいました。問題の幾つかはファームウェアのバージョンアップで改修できるところもあるので、今後のアップデートに期待したいと思います。最後になりましたが、メーカーが「リファレンス・ミュージックプレイヤー」と名乗っている以上、音以外の部分でも他製品の「指標」となる音楽プレーヤーに成長していって欲しいですね。

★次回は HDP-R10の「Bluetooth機能」「省電力設定」、そして「まとめ」を記事にしたいと思います。

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2012年10月22日 (月)

ポータブル・ミュージックプレイヤー iBasso Audio HDP-R10を使ってみた。 (6)

(8)アクセサリー
今回は iBasso HDP-R10で使えるアクセサリー(オプション品)についてです。HDP-R10対応アクセサリーはそれほど多くないので一挙に紹介したいと思います。

[HDP-R10用シリコンケース -- HC-R10B]
http://www.hibino-intersound.co.jp/information/3100.html

Shdpr1062

専用のシリコンケースです。大きさも専用品だけあってピッタリしています。シリコンの素材も肌触りは良いです。シリコンケースでありがちなベタベタする感じはなくサラサラしています。あと、ホコリも巻き込みにくいですね。シリコンケースの重さは約32gで、シリコンの厚みは約1.5-1.8mmでした。(どちらも実測値)

シリコンケースを装着していてもボタン操作やプラグ類にも支障はありません。注意点としてはシリコンケースを付けると「リセット」が塞がってしまうぐらいで、機能的に大きな問題はないと思います。

HDP-R10本体のヘアライン仕上げは美しいものの、HDP-R10を傷を付けずに大切に扱いたい人にシリコンケースは必要ですね。

[HDP-R10用液晶保護フィルム -- HF-R10]
http://www.hibino-intersound.co.jp/information/3100.html

Shdpr1061

液晶保護フィルムも専用のものが販売されています。フィルムはいわゆる「光沢タイプ」です。購入時にまったく気にしていなかったのですが、液晶保護フィルムは「2枚セット」です。

2枚セットなので、液晶保護フィルムを貼るのが下手な人でもリトライ可能ですw あと、メーカーの製品説明によると「防指紋加工」がしてあるそうです。さすがに指紋が付かないという訳ではありませんが、指紋や皮脂はクリーナークロスなどで簡単に落とすことが出来ますね。

指の滑り具合も程よい感じだと思います。特に引っかかる感じもありませんし、滑りすぎて操作に困ることもありません。

気になったのが、光沢タイプのためか?晴天下では画面に光が反射して見づらくなることがありました。HDP-R10を「液晶保護フィルム無」の状態で使ったことがないので比較は出来ませんが、少し気になりました。

HDP-R10は売れているといっても iPodやウォークマンの市場規模と比較すれば微々たるものでしょう。その為、関連のアクセサリーがサードパーティから販売される事は難しいと思われ、メーカー(ヒビノ)から販売されたことに意義はありますね。

[携帯音楽プレイヤー用マウントベース iBasso Audio“Nrmb”]
http://www.hibino-intersound.co.jp/information/3202.html

Shdpr1063_4

音楽プレーヤーを設置する台ですね。HDP-R10専用というわけではなく、他の音楽プレーヤーを載せても良いようです。ちなみに発売日は 2012/11/16なので、この記事を書いている時点では発売前です。

この製品、HDP-R10の元となった iBasso DX100の頃からラインナップされているもので、安定した音を出す必要条件のひとつ「振動」を考慮した製品です。その為、重さは 2kgほどある模様です。画像のとおり異様に存在感がある製品ですw

楽天市場で価格を調べてみたところ「約4万円」とかなりの高額な製品です。「日本の職人によるハンドメイドのヘアライン仕上げ」や「アルミニウム合金のモノブロック」等が価格をつり上げている要因と思われます。

それにしても、iBassoがマウントベースを作るぐらい音にこだわっているのであれば、HDP-R10のボタン操作時のノイズ等の問題もシッカリ対策して欲しいですね。

[SANDISK フラッシュカード SDSDQUA-064G-U46A]

Shdpr10641

HDP-R10は外部メモリースロットとして「microSD」が使えます。microSDには音楽ファイルや画像ファイル他を収納できる外部ストレージとして利用可能です。メーカーの仕様では microSDHC対応の 32GBまで容量拡張が可能です。FLAC等のロスレス系フォーマットや WAVファイルは 1曲あたりの容量も大きいので、外部ストレージが使えるのは良いですね。

メーカーの保証範囲外の話になりますが、64GBの microSDも使えますね。場合によってはフォーマットに工夫(exFAT→FAT32)がいるようです。あと、正確な検証は行っていませんが、HDP-R10に microSDを差しっぱなしにしているとバッテリー消費が激しい時があります。いずれ検証を行い、このページで報告したいと思います。

繰り返しになりますが、HDP-R10は「SDXC(64GB)」には対応していないのでデータが破損する可能性があります。安全性重視の方は「SDHC(32GB)」を選ぶことをオススメします。

★次回は iBasso HDP-R10の「気になったこと」を記事にしたいと思います。

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